前回に引き続き、沖縄そばを取り巻く話題を一つ。
最近、ラーメンや沖縄そばを一緒に食べ歩いている麺友と話題になるのが、沖縄そばにおける「れんげ」問題。
「れんげ」は、皆さんお馴染みのラーメン屋で見かけるあれです。
スプーンを大きくしたような形状で、陶器製やプラスチック製があり、中華料理屋やラーメン店では必須ですよね。
同じ麺とスープ料理ながら、沖縄そばでは、長い間、れんげはメジャーではありませんでした。
私の記憶では、小さい頃に親に連れて行ってもらった沖縄そば屋さんでは、れんげは無かったような気がします。
一般的に、沖縄そばは、器から直接スープを飲むものというのが、広く沖縄県民の認識だったのではないでしょうか。
それが、最近では、多くの沖縄そば専門店で、れんげを見かけるようになりました。
個人的な印象ですが、れんげを出す店は、半々ぐらいかなと。
れんげを置く店が増えた理由は、やはり沖縄において、ラーメン文化が浸透したことが大きいのではないでしょうか。
かつては「ラーメンは流行らない」と言われていた沖縄県、麺料理と言えば沖縄そばがメジャーで、ラーメン店の数は限られていたように思います。
それが、2000年代から新規出店が増え、2010年代にはすっかりラーメンが定着した感があります。
個人的には、「通堂」のオープンが、転換点だったのかなあと思います。
沖縄そばにおける、れんげは意見が二つあって
①昔ながらのれんげ無し派と、②ニューウェーブのれんげ有り派
①昔ながらのれんげ無し派は、
沖縄そばのスープは、やっぱり器から直接飲むもの。伝統的にそうだった、という立場。
②れんげ有り派は、
やっぱり、熱いスープを飲むのに器からは不便だし、器も重たい。ラーメンなどと同様に、れんげはあった方が便利というもの。
私の考えとしては・・・
もちろん、れんげを置く、置かないは店の考え方に寄る所で、お店の考え方を尊重したいのが第一。
昔ながらの方法が良いという思いもあるでしょうし、オペレーションの問題もあると思います。
ラーメン評論家の石神秀幸氏が著書『ラーメン最強うんちく』の中で、ラーメンのスープの飲み方として、れんげから飲むのはもちろん、器から飲むのも両方やった方が良い、飲み方で味の感じ方も違うという趣旨の事を書いていて、なるほどなと感じました。
沖縄そばも、同様に色々な方法で食べた方が、味の楽しみ方も幅が出るのではないでしょうか。
また、老若男女に愛されている沖縄そばのこと。
ラーメンに馴染んだ若い世代や、女性でも食べやすいように、れんげを置く配慮はあっても良いのかなと思います。
時代と共に、変化していく食べ方。
皆さんはどう考えますか。