あけましておめでとうございます。
2021年が、読者の皆さんにとって、明るい、元気な、良い年になることを祈念しております。
目の前には色々とあるけれど、笑って、元気に過ごして行きたいですね。
当ブログは、見ての通り、私さんぺいの、沖縄そば食べ歩きの記録をただ書き連ねる自己満足なブログなんですが。
読んでくれた方が、「美味しそう!」「週末、沖縄そば食べに行こうかな」「今度、何処の沖縄そば食べよう」と、毎日のちょっとした楽しみを増やすことができたら、本当に幸せです。
新年は、のんびりと沖縄そばと本の話題を。
私がブログを始めてから、あらためて沖縄そばに興味を持ち、沖縄そばに関する本を探していました。
ところが、意外にも沖縄そばに関する本は、地元沖縄では少ない。
沖縄そばは(伝統的な琉球料理というより)大衆食であること、飲食店に関する本がそもそも少ない事などが理由としてあると思います。
自分が、沖縄そばの起源や歴史、戦後の経緯について知りたいと思った時に、なかなか資料が手に入りませんでした。
このテーマ【沖縄そばと本】では、私が出会った沖縄そばに関する本を紹介していきたいと思います。
これを読んでくれて、こんな情報もあるよ!とアドバイスをいただけたら、凄く嬉しいです。
マニアックな企画ですが、お付き合いください。
【沖縄そばと本】第1回で、取り上げたいのは、ボーダーインク社、『私の好きなすばやー物語』、すばドゥシの会編、1995年発刊、です。
この本を選んだのは、沖縄そばについてまとめられた本では比較的古く記録性が高いこと、内容のユニークさの2点にあります。
内容は、沖縄そば屋99軒について紹介した本です。
当時もタウン誌のように店舗情報をまとめた冊子はあったのですが、店そのものを掘り下げた書籍は少ない。
99店舗の内訳ですが、残念ながら閉店してしまった店も多く時代を感じます。四半世紀前ですからね。
中には、私も知らない沖縄そば屋が多数ありました。
そんな中で、興味深いのが今も現役で頑張っている店舗があること。
「かどや」「御殿山」「あじゃず」「浜屋」「岸本食堂」・・・他にも。
今はベテランの店となっている店も、当時はまだニューウェーブなそば屋と表現されることもあって時代の流れは面白い。
インターネットが広く普及する前なので、記録そのものが、すごく貴重です。
〈『御殿山』の過去記事〉
店舗の紹介に加えて、この本が画期的だったのが、巻末に沖縄そば年表を掲載し、沖縄そばの歴史を6ページにまとめていること。
明治期に沖縄そばが広まった所から、1990年代までの歴史が考察されていて、すごく貴重な資料になっています。
特に、沖縄そばの起源と、成り立ちについては、地元沖縄でも実は確たるものがなく、情報が少ないんです。
おそらくですが、この『すばやー物語』が後発の本や、ブログなどの情報の元ネタになっていることが多いです。
それだけ、影響を与えた本なんですね。
〈沖縄そば初期の味を再現した「唐人そば」〉
2点目の、ユニークな編集方法について。
この本は、特定の著者がまとめた本ではなく、42名によってコラム形式で書かれています。
沖縄そばの味だけでなく、店や、店主について、筆者の思い出と共に語られています。
コラムなので、読み物としても面白い。
ボーダーインク社は、沖縄の出版社で、県産本を多く作っていることでも有名です。
初期のベストセラー「キーワードコラムブック」が有名で、この本も同じような形式で編集されています。
最後に、この『すばやー物語』で、出色なのが、沖縄では伝説の名店である那覇市首里の沖縄そば屋『さくら屋』について、店主のインタビューが掲載されている点です。
『さくら屋』の名は広く知られていますが、1993年に閉店しており。
今、詳細な情報を探すのは本当に難しいんです。
店主、新里ツルさんが、店を始めた経緯、そば作りについて、考え方などを語られています。
沖縄そばに、対する真摯な姿勢に、凄く感動しました。
『さくら屋』が、今の沖縄そばに与えた影響は大きく、貴重な資料だと思います。
本は絶版になっており、私もしばらく探し歩いた後に、手に入れる事ができました。
あらためて感じたのは、本のありがたみ。
インターネットで何でも検索する時代ですが、昔の情報はなかなか手に入らない。
しかも、まとまった情報が無い。
本という形で残す事で、25年後に、私も情報を受け取ることができました。
本当にありがたいです。
『すばやー物語』、情報としても貴重ですし、読み物としても面白い一冊です。
私の宝物です。