このテーマ【沖縄そばと本】では、私が出会った沖縄そばに関する本を紹介していきたいと思います。
これを読んでくれて、こんな情報もあるよ！とアドバイスをいただけたら、凄く嬉しいです。
マニアックな企画ですが、沖縄そばの世界を読者の皆さんと一緒に探訪できたら嬉しいです。お付き合いください。
【沖縄そばと本】９回目は、中村雅之著、『沖縄 のこしたい店 忘れられない味』です。
誠文堂新光社から２０１７年に発行された沖縄の食に関する本。
著者が沖縄で訪れた「残したい店の風情」と「忘れられないほどの味」を綴ったエッセイです。
著者の中村雅之氏は、横浜能楽堂館長。
日本の古典芸能の専門家として、プロデュース・執筆・講演など幅広く活躍されている方です。
さらに、この本を特徴づけているのが、たくさんの写真。
沖縄の食べ物に関する店を紹介している本ですが、それぞれの写真が掲載されており、エッセイ本でもあり、写真集でもあります。
写真は、キッチンミノル氏による作品です。
私は沖縄そばを食べ歩くのはもちろん、過去の歴史を調べるのも好きで。
できるだけ本を集めていますが、食べ物、特に飲食店についての記録はなかなか残っていないのが現状です。
飲食店は入れ替わりも早く、また世俗の事は研究の対象とならなかったからなんでしょうね。
インターネットが普及した現在でも、まとまった記録を探すことは難しく、だからこそ本という形で沖縄そばに関する記録が残っていくことは貴重だなあと思います。
本書は、沖縄の食について、著者が印象に残った店をエッセイの形式で紹介しいていくというもの。
『シーサイドドライブイン』や『ブエノチキン』、『ジャッキーステーキハウス』、『チャーリー多幸寿』など２０の店を取り上げています。
沖縄県民なら、皆知っている馴染み深い店が多いのではないでしょうか。
個人的には二点、良いなと思う点があって。
一つ目は、店の紹介や、味の感想に留まらず、沖縄の文化や時世を広く含んだ内容になっていること。
私自身もこの本を読んで知ったことも多く、読み物としてもとても面白いです。
軽いタッチで書かれているので読みやすいですし、本土の方で沖縄に興味がある方にもお薦めです。
二つ目は、冒頭で紹介したとおり、写真がふんだんに使われていること。
どこか哀愁を感じるようなキッチンミノル氏の写真は、自分自身の記憶とも相まって、見ているとその世界に入り込んでしまいます。
一つ一つの写真が魅力的なので、これは是非、本を手に取って見てほしいです。
表紙からも分かるように本書では、一番初めに、本部町にある『きしもと食堂』が紹介されています。
沖縄そばって、やっぱり沖縄の食を語るときに欠かせない存在なんだなあと思います。
本に掲載されている写真も素敵なので、是非、読んでみてください。
ほか、自分自身も知っているけど、訪問したことがないお店がたくさんありました。
変化が速い時代だから、今のうちに行けるところは行っておかないと、と気持ちを強くしました。
皆さんも本書を参考に、あらためて沖縄の名店を巡ってみてはいかがでしょうか。
本書で紹介されている店舗について、当ブログでも取上げています。
参考にどうぞ。
本書で冒頭に取り上げられているのが『きしもと食堂』の沖縄そば。
現存する沖縄そば屋では最古の店。
＜『きしもと食堂』の過去記事＞
okinawasoba.hatenablog.com
本書で取り上げられている那覇市の食堂『三笠』のちゃんぽん。
沖縄では広く食べられている沖縄風ちゃんぽんですが、三笠はこの店でしか食べることができないオリジナルです。
ブログでは、三笠で食べた沖縄そばを取り上げています。
＜『三笠』の過去記事＞
本書では、南城市の『まんぷく食堂』の牛汁が取り上げられています。（写真は、牛汁そば）。
牛汁、ソーキ汁、山羊汁など汁物も沖縄料理の一つ。
ブログでは、『まんぷく食堂』で食べた牛汁そばを取り上げています。
＜『まんぷく食堂』の過去記事＞
