さんぺいの沖縄そば食べ歩き

沖縄生まれ、沖縄育ち。沖縄そばの食べ歩き日記です。

粟国島と沖縄そば

f:id:sanpei808:20210814090056j:plain今回は、粟国島沖縄そば屋の紹介と、粟国島沖縄そばの関係について少しご紹介させてください。

粟国島は、沖縄県の離島で粟国村にあり、那覇市から北西約60kmに位置し、大きさは、7.63平方メートルほど、人口は約800人の島です。


f:id:sanpei808:20210814090243j:plain那覇市からだと、市内にある泊港とまりん)からフェリーで約2時間で行くことができます。

粟国島の魅力は、ダイナミックな自然と離島ならではの固有の文化。
最近では、映画『洗骨』の舞台となった島です。

f:id:sanpei808:20210814090550j:plain綺麗な海があるのはもちろん。

 

f:id:sanpei808:20210814090758j:plain沖縄の多くの島は、サンゴから成る石灰岩が主ですが、粟国島の一部は火山による地質があり、これが島独特の景観を生み出しています。



そんな、粟国島、実は沖縄そばと密接な関係があるんです。

粟国島は、料理人の多い島として知られていて、那覇をはじめ、県内各地で多くの飲食店を営んでいる方がいらっしゃいます。

私が尊敬していて、いつも参考にしている、沖縄そば食べ歩きの第一人者ゴヤ親方が、ブログ『すばらしい日々』で、粟国島沖縄そばの関係に触れられていて、すごく興味を持ち調べてみました。

https://goyauekata.ti-da.net/e11358234.html

 



www.aguni-archive.jp

沖縄そばの歴史好きなら知っている、戦前、戦後の超名店『井筒屋』の創業者は、粟国島出身の新里有一郎さんという方なんです。

粟国アーカイブスによると、
明治28年粟国村字西で生まれた新里有一郎は、15歳の頃は漁師として働き、
その後那覇市内「森そば屋」でそば職人として修業する。そして大正9年の26歳の頃に波の上宮近く(若狭町寄り)で「井筒屋」の看板を掲げて、粟国出身者として初めてのそば屋開業者となった」
とのこと。



『井筒屋』は、沖縄そばの歴史年表には必ず取り上げられる超名店で、毎日2,000杯を売り上げたという伝説も。
戦後も、場所を変えて営業し、人気店だったようです。

そんな沖縄そば伝説の店が、粟国出身の方によってつくられたとは。
メチャクチャ浪漫を感じます。
どんな人だったんだろう。



ちなみに、大正14年頃には『井筒屋』が、かき氷を販売し始めたんだそう。
現代の沖縄そば屋とかき氷の関係が既にこの頃からあったんですね。
『井筒屋』のパイオニア精神も凄いな。



www.youtube.com

沖縄そばの歴史については、賀数仁然さんのYouTubeが分かりやすいので、お薦めです。
この中で、『井筒屋』についても取り上げられていますよ。



そして時代は現代へ。

今回は、粟国村浜にある『民宿 寿』で沖縄そばをいただいてきました。

粟国島は、人口800人ほどの島ですが、飲食店が数軒あり、沖縄そばを食べることができます。


f:id:sanpei808:20210814091826j:plain『民宿 寿』は、港から歩いて行ける距離の民宿。

ランチタイムは、宿泊客以外も沖縄そばを食べることができます。
(予約しておくのがお勧め)。

f:id:sanpei808:20210814092352j:plain三線が飾られている店内で、ゆったりと食事をとることができます。
アットホームな雰囲気。



メニューはシンプルに、三枚肉の沖縄そば(大)600円と、(小)400円のみ。
今回は、沖縄そば(大)をいただきました。


f:id:sanpei808:20210814092756j:plain見た目も美味しそうな沖縄そば

三枚肉、紅ショウガ、ネギ、かまぼこが乗った、王道のルックスですね。


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豚と鰹、しっかりと出汁が効いていて、どっしりとした印象のスープ。

丁寧に作られている印象で、雑味がなく円やか。
派手な感じではないですが、じんわり沁みる、滋味のあるスープです。

すごく飲み応えがある。


f:id:sanpei808:20210814093220j:plain麺はやや太めの、ストレートな中太麺で、すごく滑らか。
力強くて存在感のある麺です。


三枚肉の味付けは、かなりしっかり目。
昔ながらの甘じょっぱい、沖縄でいう「味くーたー」な三枚肉。
こういうのが良いんだよな。



今回は、偉大な沖縄そばの先人に思いをはせながら、粟国の沖縄そばをいただきました。
歴史を探訪しながら、そんな沖縄そばの楽しみ方もありますよね。

沖縄そばの聖地、粟国島

是非、自然と文化、沖縄そばを楽しみに訪れてみてください。