どうですか、このインパクト。
今回は、「カレーそば」を食べてきました。
(以下、カレー沖縄そばを、全て「カレーそば」と表記します)。
沖縄そばと言うと、鰹節と豚の出汁を合わせた、澄んだスープをイメージされると思いますが、こんなそばもあるんですね。
何店舗か、沖縄そばの専門店を回っていますが、「カレーうどん」や「カレー蕎麦」のように、カレーと沖縄そばを掛け合わせた「カレー沖縄そば」を出すお店は少数ですが存在します。
私も振り返って調べてみましたが、ここ数年「カレーそば」って食べてないんですよね。
人生の通算でも、5回も食べてないかも。
理由は簡単で、初めて行く沖縄そば専門店なら、どうせならノーマルな味をまず食べてみたいって思うから。
ただ、カレーと麺の掛け合わせは以前から歴史があって、日本蕎麦を用いたカレー蕎麦は市民権を得ているし、なんと言ってもカレーうどんは完全に独自の人気を獲得しているんじゃないでしょうか。
カレーでもなく、うどんでもない。
カレーうどんが食べたい日って何だかありますよね。
その意味で、沖縄そばの麺を用いた「カレーそば」もブレイクのチャンスがあるんじゃないかと密かに思ってるです。
期待を持ちながら、今回は那覇市寄宮にある『沖縄すば処 月桃』を訪問しました。
最初に行っておかなければならないのは、『月桃』はキャリアがある沖縄そばの有名店であること。
思いつきなんかじゃなくて、沖縄そばでしっかり実績がある店舗だからこその「カレーそば」なんですよね。
『月桃』と言えば、昔ながらの木灰汁を用い手打ちで作られた麺。
力強い中太麺で、コシのしっかりした、縮れの入った麺は、独特な食感です。
スープは、「こってり」と「あっさり」があり、この記事の「こってり」も絶品。
なかなか無い、乳化して真っ白な豚骨のスープは『月桃』独特です。
「あっさり」の方は、鰹節の出汁をベースにした、どちらかと言えばオーソドックスな沖縄そば。
よりシンプルにオリジナルの麺と、出汁の美味しさを堪能するなら、こちらがお薦めです。
メニューは、基本の沖縄そばからソーキ、炙り軟骨ソーキ、ゆし豆腐そばなどがあります。
さて、いよいよ「カレーそば」の登場。
『月桃』の「カレーそば」(大)650円。
はじめていただきます。
ひと口飲んで、まずカレーのスープの美味しさに頷く。
不安もあったけど、やっぱり美味しい。
基本の鰹出汁の沖縄そばのスープがしっかりしているので、カレーの方も味付けの安定感は抜群。
独特のとろみがあって、少しだけ辛いスープは、まさにカレーうどん。
カレーライスのルーや、北海道のスープカレーとも違う、ちょうど良い濃度。
このスープが、めちゃくちゃ麺に絡むんですよね。
これこそカレーうどんや、カレーそばの醍醐味と言って良いんじゃないでしょうか。
粘度のあるスープと、太麺が一体となった旨さ。
なかなか冷めないので、最後まで熱々のスープを、麺に絡めていただきます。
ここで活きてくるのが『月桃』の手打ち麺。
中太で歯ごたえのある力強い麺で、カレーの存在感に負けない美味しさがあります。
「カレーそば」になっても、しっかり麺の美味しさが感じられるの凄い。
汗だくになりながら、最後まで美味しくいただきました。
味はみんな大好きカレーなので間違いないと思っていましたが、心配していたのは、沖縄そばの麺との相性。
合わなかったらどうしよう・・・と思っていましたが、杞憂でした。
これは全然アリだよ。
完成度の高いカレーのスープと、それに負けない手打ち麺で、新しい沖縄そばの魅力を表現しています。
沖縄そばでは新しい「カレーそば」の世界。
私ももっともっと探求していきたいと思います。