ども、さんぺいです。
ゴールデンウィークということで(私はバリバリ仕事がありますが)、趣向を変えて以前旅行に行った福岡の麺類について取り上げています。
ゴールデンウィーク期間中の暇つぶしに読んでいただけたら、嬉しいです。
今回、福岡に旅行へ行きたかった理由の一つがこの本との出会い。
コンサルタントのサカキシンイチロウ氏の著書、『博多うどんはなぜ関門海峡を越えなかったのか』。
私もこの本を読むまで知らなかったのですが、福岡で麺類と言うとラーメンのイメージが強いのですが、実は屈指の「うどん県」なのです。
歴史ある店舗が揃っていて、チェーン展開をしている有名店が多くあり、なにより市民の食として定着している。
ある意味で、福岡県民にとっては幅広い年代で日常的に食べられている、ラーメン以上の存在なのです。
うどんと言うと、全国でチェーン展開されている讃岐うどんがメジャーで、いわゆる麺の「コシが強い」うどんが美味しいとされています。
一方で、「博多うどん」の特徴は、「柔らかい」のが特徴なんだそう。
「柔らかいうどん」?と始め思いました。
でもそれが絶品らしいのです。
この本では、ではなぜそんな絶品の「博多うどん」が東京に進出しないのか、全国的に知られていないのか、そんな理由を探っています。
沖縄県にはうどん専門店が少なく、普段からうどんを食べる習慣がない私。
読了後、「博多うどん」がどんな食べ物か、がぜん興味が湧いてきました。
今回の福岡旅行では、できるだけ博多でメジャーなうどん店を食べ歩くことをテーマにしています。
福岡での初うどんに選んだのがこちら。
『牧のうどん』です。
創業から40年以上、福岡県・佐賀県を中心に18店舗を展開している人気店です。
『博多うどんはなぜ関門海峡を越えなかったのか』の中でも、この『牧のうどん』が中心的に取り上げられており、今回特に訪問したかった店舗。
人気店でありながら、その製法ゆえに博多ローカルを貫いているという姿勢にシビレます。
今回は、博多駅のすぐ隣。
博多バスターミナル内にある店舗を訪問しました。
15時30分頃でしたが、お客さんで一杯でした。
人気が分かりますね。
接客の声が心地よく、手際も良くて、丁寧です。
ごぼう天うどん(中)490円を注文。
ごぼうの天ぷら、「ごぼ天」は、沖縄だと馴染みが無い方が多いと思います。
私も今回初めて食べました。
この「ごぼ天」とうどんを合わせるのが福岡ではメジャーとのこと。
面白いですよね。
今回の旅でも、味の比較のため各店舗とも「ごぼ天」縛りで注文しました。
『牧のうどん』の特徴の一つが、この「やかん」。
「やかん」に継ぎ足し用のスープが入っていて、好きなタイミングでスープを追加できるんです。
なんて素敵なアイデア。
ちなみに同じような発想が沖縄そばにもあって、名護市の『八重食堂』では、スープが「やかん」に入って提供されます。
今回、最も衝撃だったのが、うどんの麺。
見た目で分かると思いますが、うどんはまず極太。
事前に聞いてた通り、確かに柔らかい。
最初柔らかいんだけど、芯はしっかり。
ふわっとしていて、もちっとした麺で、食べ応えがかなりある。
伸びもすごくて、ただ汁を吸った麺ではなく、しっかりコシを残しながら茹でて、絶妙なタイミングで提供しているのが分かります。
プラスしてスープが美味しい。
出汁が効いていて、味つけは香川よりもやや強めに感じました。
あくまでも出汁の美味しさが主体のスープで、出汁の旨みと、絶妙な味付けでいくらでも飲めます。
「やかん」が提供される理由が後から分かりました。
『牧のうどん』は、麺のボリュームが凄いため、最初の段階では丼中のスープが少ないんですよね。
そして麺がスープを吸って、どんどん無くなっていく。
そこで、「やかん」で追いスープ。
これで十分満足にスープを飲めるだなと。
スープを吸って大きくなるうどんもまた美味い。
うどん自体の美味しさは本物だなと思いました。
柔らかいうどんに、美味しいスープ。
確かにコシを追求し、ソリッドな麺の美味しさを味わう「ぶっかけ」のような讃岐うどんと違い、スープを吸った柔らかな麺を味わう『牧のうどん』は今までにない体験でした。
沖縄の人には未知すぎる食べ物だ。
柔らかいうどんが、ホントに美味しいんです。
沖縄そばとの比較で言えば、このスープなら沖縄そばの麺にも合いそう。
重たすぎず、それでいてしっかり出汁の旨みがあって、沖縄そば向きなスープです。
動物系の出汁が入らない分、物足りなくなる可能性もありますが。
麺は極太の部類に入るので、沖縄そばのそれとはやっぱり大きく違います。
ただ、沖縄そばでも最近、コシや硬さが好まれ細麺がブームなんですけど沖縄本島北部地域で好まれているの幅広の平麺のように、もっちりと柔らかい麺を楽しむベクトルが、「博多うどん」のようにあっても良いのになと思いました。
とにかく、「博多うどん」の美味しさは食べてみないと分からないはず。
自分も初めての食感でした。
単純に「柔らかい」とも違う、最初に歯を入れた時のもっちり感と、最後の芯のコントラスト。出汁をしっかり吸った美味しさ。
あと、驚くのが「ごぼ天」をトッピングしてこの値段。
この価格とボリュームって、今、日本で最強の外食じゃないでしょうか。
一杯で十分に満足できる量と味。
福岡市民が「博多うどん」を愛する理由がようやく分かりました。
<さんぺいの「麺活」の記事一覧>