ども、さんぺいです。
沖縄そばは、明治後期に現在のような形が出来上がりました。
ラーメンと違い、当初は木の灰から取った木灰汁を用いて、小麦粉、水、塩などを原料に麺を作っていたそうです。
okinawasoba.hatenablog.com
拙著『さんぺいの沖縄そばの歩きかた』では、沖縄そば創成期の話も盛り込み、歴史をわかりやすく解説しています。
戦後まで木灰汁を用いた手打ちの麺作りは続きますが、薪の使用が減り木灰が手に入りづらくなったことなどから「かん水」に替わり、また製麺所の台頭により1960年代以降はお店や家庭で麺作りをするところは減っていきました。

<参考『きしもと食堂』>
現在、昔ながらの製法で作る木灰そばが食べられるお店は、『きしもと食堂』『てんtoてん』『とらや』などごく限られています。
本でも触れましたが、原因の一つは良質な木灰の入手が難しくなっている点にあり、お店だけでなく沖縄県全体でこの問題に取り組んでいけたらと思っています。
今回は、貴重な木灰そばを作り続けて20年以上になる『沖縄すば処 月桃』を訪問しました。
由来を聞くと、店主金城さんのお父様が手打ちで木灰そばを作られていて、店を出すならこれと決めていたんだそうです。
お店は、那覇市寄宮にあり、JA真和志支所に併設されています。
そのため、市街地の割には駐車場が確保しやすいのが特徴。
この立地で、これだけの駐車場があるのはありがたい。
寄宮近辺で、ランチを探す際には穴場だと思います。
店舗前や、地下駐車場など、建物全体の駐車場を利用することができます。
キャリアのあるお店だけあって、落ち着いた雰囲気。
平日は常連さんが多く、慣れた様子で昼食を楽しんでいる様子が印象的でした。
いつでもフラッと寄れる空気感があります。

okinawasoba.hatenablog.com『月桃』で、第1回沖縄そばオフ会をやったのも良い思い出です。
席は、テーブル席と小上がりの席、カウンター席があります。
のんびりと食事を楽しむことができます。
『沖縄すば処月桃』のメニューです。
基本は、三枚肉そば、ソーキそば、軟骨炙りソーキそばで、シンプルに食べたい方には「かけそば」も用意されています。
また、ガッツリ行きたい方には、三枚肉、ソーキの両方が楽しめる「肉舞(シシマイ)すば」がお薦めです。
サイドメニューにはもちろん定番のジューシーもあります。
そして、『月桃』の大きな特徴が、スープが「あっさり」「こってり」「ミックス」から選べること。
人気の「こってり」は売り切れるのが早いです。
今回は、本ソーキそば(中)830円を「こってり」でいただきました。
まずやっぱり、真っ白なスープに目が行きます。
綺麗に白濁したスープですね。
8時間以上煮込んで作るという濃厚なスープ、手間暇かかっています。
第一印象は、マイルドさ。
もちろんパンチがあるのですが、尖った感じがなく、甘みも感じるような円やかな味わい。
重たい感じはありません。
引力が凄くて、レンゲが止まりません。
味付けはしっかり目ですが、塩味はきつくありません。
無理なく最後まで飲み干せるスープ。
良い意味でワイルドさも残していて、こってり好きもきっと満足すると思います。
これが、木灰汁を使った麺。
ぷりっとしていて、コシがかなり強いのが特徴です。
歯を押し返してくるような弾力。
噛み応えがあって、風味も感じる美味しい麺でした。
本ソーキの大きさに驚き。
厚みのある骨付きスペアリブがゴロンと載っています。
味付けは伝統的な甘辛で、食欲がいっそう増すような本ソーキ。
キングオブ豚肉と呼びたいです。
何も考えなくて食べても美味しい沖縄そばなのですが、やっぱり「木灰そば」のことを思ってしまう。
木灰を用いるのは、入手自体が困難で、コストの面でも苦労があると聞きます。
ラーメンやうどんにはない、昔ながらの製法をどうにか保存していきたい。
今、みんなで考える時期にきていると思います。
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