さんぺいの沖縄そば食べ歩き

沖縄生まれ、沖縄育ち。沖縄そばの食べ歩き日記です。

さんぺいの麺活 長崎ちゃんぽん編1 四海樓(しかいろう)

ども、さんぺいです。

沖縄そば食べ歩き」と題して沖縄そばの紹介をしている当ブログですが、私は他の麺類も好きでして。
特に、その地方でしか食べられないローカル麺に今すごく興味があります。

沖縄そばと同じ中国にルーツを持ち、灰汁を用いて麺づくりを行うなど共通点のある「長崎ちゃんぽん」が気になり、7月29日~31日に旅行にでかけました。(その後台風で帰れなくなったけど)。

今回はその記録です。




旅のテーマは、長崎ちゃんぽんの本場の味を感じることはもちろん、ちゃんぽんの歴史や、地域にどう根付いているのかを知ることです。

長崎到着の初日にまず向かったのは、長崎市松が枝町にある『四海樓(しかいろう)』でした。



現在の沖縄そばの原型が出来上がったのは、明治中期の1900年前後あたりで、中国の料理人が作る麺料理に影響を受けたと言われています。
始まりについて、特定の時期や、お店ははっきりしていないんですね。

それに対し、「長崎ちゃんぽん」はその始まりがはっきりしていて、1899年に陳平順(ちんへいじゅん)氏が創業した『四海樓(しかいろう)』が発祥だとされています。

当初は、『支那饂飩(しなうどん)』だった麺料理は、『ちゃんぽん』と変わり、長崎で親しまれる料理へと発展していったんだそう。

なので、まずはこの店を訪問してみたかったんです。



長崎駅からすぐに『四海樓』へ向かったのですが、まずはその大きさにびっくり。
これで一つのお店なんです。

場所は、グラバー園の近くで、さすが長崎ちゃんぽん発祥のお店ですね。

1階にお土産品店、2階に「ちゃんぽんミュージアム」、3階4階が予約専用の部屋になっていて、長崎ちゃんぽんや皿うどんを楽しむお客さんは5階の展望レストランを利用することになります。

そこは超有名店、かなりの行列に並ぶことになりました。



エレベーターで5階に上がり、記帳した後、順番を待ちます。

5階フロアは、ガラス張りになっていて、長崎の港や市中が展望できます。
天井も高く、開放感のある作り。

この場所で食事ができるなんて贅沢ですね。



四海樓(しかいろう)』のメニューです。

やっぱり目玉は、ちゃんぽん、皿うどんですよね。
長崎初心者なので、皿うどんに太麺と細麺があるのも初めて知りました。



八宝菜や、蟹玉などほかの中華料理も楽しめます。

ほとんどのお客さんは、ちゃんぽんか、皿うどんを注文されていました。

私もひとり客で無ければ、中華料理をシェアして食べてみたかった~。



卓上の調味料は、ソース、酢と、胡椒。

これも知らなかったのですが、ちゃんぽんの味変で胡椒をかけるとか、皿うどんの味変でソースをかけるとか、今回の旅で学習できました。

沖縄そばや、うどん、蕎麦とも違ってて面白いですよね。



45分ほど待って着席。


期待で胸がふくらむ。



ちゃんぽん1,210円をいただきました。

これが長崎ちゃんぽん発祥店のちゃんぽんか、嬉しすぎる。

まずルックスの良さが印象的でした。
山盛りの野菜炒めに、真っ白なスープ、錦糸卵の黄色が彩を添えています。



綺麗に乳化したパイタンのスープ。
長崎ちゃんぽんの特徴ですよね。

豚と鶏で作られているとのことですが、凄く滑らかなスープ。
コクがしっかりあるのですが、雑味が全然なくて、後味はむしろスッキリといった印象でした。
具材のエキスが溶け込んでいるのか、魚介の旨みも感じます。

粘度はそれほどなくて、サラッとしていて、重たくないので最後の一滴まで本当に美味しく飲み干せました。



錦糸卵も『四海樓』の特徴だそうです。



野菜炒めは山盛りで、キャベツ、もやしなどのほか、海老やイカなどの魚介類も沢山入っています。

野菜の切り方は『リンガーハット』と比べて細かく切られていて、上品な印象でした。

カマボコが入るのも長崎ちゃんぽんらしさ。




中太の麺は、丸というよりはやや長方形で平たい感じ。

口当たりの良さがとても印象的でした。

コシはそれほどなく、もっちりとした歯ごたえが美味しい。



長崎ちゃんぽん発祥の店で食べられたのがまず感動でした。

当初のちゃんぽんはどんな味だったんだろう。
歴史に思いをはせながら食べる一杯は、めちゃくちゃ浪漫があります。

たっぷりの野菜と魚介をパイタンスープと合わせて、もっちり食べ応えのある麺と合わせる。
やっぱり凄い発明だと思います。

「ちゃんぽんミュージアム」の説明にもありましたが、そのルーツは中華料理を基にしていますが、長崎の風土や歴史、食材などが生んだオリジナルな料理であることは間違いないですよね。

優しい味の上品な長崎ちゃんぽんでした。



建物の2階にある「ちゃんぽんミュージアム」は、名前のとおり『四海樓』の変遷や、ちゃんぽん、皿うどんの歴史を知ることができます。

麺好きとしては堪らない資料ばかり。



大正時代に使われていたちゃんぽんの丼なんだそう。

こうした貴重な品も展示されています。



明治中期と、同じような時代に中華料理から影響を受けて、発展していった長崎ちゃんぽんと、沖縄そば
今のラーメンもそうかもしれません。

同時期に生まれながら、地域の食材や、味の嗜好に合わせて独自に発展していったと考えると面白いですよね。




<さんぺいの「麺活」の記事一覧>

okinawasoba.hatenablog.com