さんぺいの沖縄そば食べ歩き

沖縄生まれ、沖縄育ち。沖縄そばの食べ歩き日記です。

【沖縄そばの歩き方⑥】沖縄そばの器(うつわ)を楽しむ


ども、さんぺいです。

シリーズ「沖縄そばの歩き方」では、不定期で沖縄そばの楽しみ方を私なりにお伝えしようと思っています。
皆さんの沖縄そば食べ歩きが、少し豊かになるようなお話ができたら嬉しいです。


<これまでの沖縄そばの歩き方>

okinawasoba.hatenablog.com




これまでは、沖縄そばのスープや、麺、具材など「味」そのものを中心に取り上げてきましたが、今回は着眼点を変えて、沖縄そばを入れる器(うつわ)について考えてみたいと思います。

沖縄そば食べ歩きの楽しみとひと口に言っても、楽しみ方は様々ですよね。

もちろんどんな沖縄そばの味が一番の楽しみかもしれませんが、お店のインテリアだったり、雰囲気、景色などのロケーションも楽しみの一つ。

そして忘れてはいけないのが、沖縄そばを入れる器です。

今回は、そんな沖縄そばの器の楽しみ方について紹介していきますね。



1.沖縄そばの器(うつわ)を楽しむ

沖縄そばを入れる器はお店によって異なりますが、沖縄そば専門店の多くが沖縄で作られた焼き物、陶器を用いています。

歌や踊り、食文化などと同様に、沖縄の工芸品は独自の文化があり、焼き物もその一つ。
焼き物=「やちむん」と呼ばれ、親しまれています。

国の伝統的工芸品に指定されている「壼屋焼(つぼややき)」が最も有名な焼き物です。



<『沖縄そばヨネハマ』の器>
当ブログでは、こだわりとして、沖縄そばの横から見たショットをできるだけ入れるようにしています。

実はこれ、沖縄そばを撮っているわけではなくて、沖縄そばの器の写真を記録したいと思ってずっとやってるんです。

変な趣味かもしれませんが。

沖縄そば専門店の中には、こだわりを持って沖縄の焼き物(やちむん)を使っている店もあり、実は店の個性が出ていて面白いのです。




2.沖縄の焼き物

沖縄の焼き物には「壼屋焼」「琉球焼」などがあり、特に「壼屋焼」は有名です。

「つぼや」の名前の通り、壼などを焼く窯元が那覇市の壼屋地域に多くあり、沖縄戦の後にもいち早く壼屋で産業の復興がはじまりました。
沖縄の焼き物のシンボル的な存在なんですよね。

現在では、釜自体の多くが読谷村に移り、陶器づくりが行われています。



焼き物(やちむん)には、「上焼(じょうやち)」と「荒焼(あらやち)」の2種類があります。

「上焼」は釉薬を用いた陶器で、絵付けがされるなど、沖縄そばの器も多くがこの「上焼」が使われています。

「荒焼」は釉薬を用いない素朴な焼き物で、お酒を入れる甕などに使われます。

www.edu.city.naha.okinawa.jp沖縄の焼き物に興味がある方がいたら、「那覇市立壼屋焼物博物館」がお薦めです。

展示内容はコンパクトですが、焼き物の歴史や技法などについて、すごく分かりやすい展示になっていますよ。

周辺には、『EIBUN』など沖縄そばの有名店もたくさんあるので、沖縄そば食べ歩きとセットで博物館を訪れてもいいかも。



3.沖縄そば屋さんの器

首里そば>
では、具体的に沖縄そば専門店の器を見ていきたいと思います。
最初は、沖縄そばを代表する有名店『首里そば』。
器に店名が書かれていて、オリジナルの器なんですね。
こうして、店オリジナルの器を用いているお店も多いです。

<まいにち食堂>
当記事の冒頭の写真は、『まいにち食堂』の器。
繊細なスープのお店が特徴的なお店ですが、沖縄そばの器も素敵です。
欠けた器も店で修繕しながら、丁寧に扱っているんだそう。

<うゎちち>
沖縄市の『うぁわちち』の器。
モダンなデザインで染付けがすごく綺麗です。
こんな器で食べる沖縄そばは絶対に美味しい。


<パネス>
与那国島の『パネス』で沖縄そばをいただいた時の器。
線彫りの技法が使われています。
魚紋線彫りは、沖縄の焼き物の定番です。

<守良屋(すろーやー)>
名護市の『守良屋』の器。
単色のデザインもシンプルで素敵ですね。


<米八そば>
沖縄市にある『米八そば』の器。
大胆な染付けが魅力的です。
見てて楽しいですよね。

<タイラ製麺所>
那覇市国際通りに2022年にオープンした沖縄そば専門店。
赤が映える、素敵なデザインの器です。

 

首里そばなかだ>
首里城近くにある首里そばの2号店。
厚みが、沖縄の焼き物らしいですよね。
二色のシンプルなデザイン、綺麗だな。

すずらん食堂>
那覇市与儀にある老舗の『ずずらん食堂』。
こちらの器も、直接彫って装飾する、線彫りの技法が使われています。
こんな器で食べるデカ盛りの野菜そばは最高。

 

<すばやー>
那覇市上間にある『すばやー』。
モダンなデザインでめちゃくちゃ可愛い器。
家にほしいな。

<いしぐふー小禄具志店>
究極にいくと、沖縄の焼き物を超えたお店オリジナルの器をつくるお店も。
沖縄そばの超有名店『いしぐふー』の各店では、オリジナルの器を用いていて、器自体がアイコンとなっています。
沖縄県民なら、この器で『いしぐふー』を連想する人は多いはず。



4.我が家の器

我が家では、こんな器を使っています。

ご飯や、沖縄そばなどを食べるための「まかい」は、沖縄ならどの家にもあると思います。
それぞれ、こだわりの器があるんじゃないでしょうか。

私は、沖縄らしい、ぼってりとした器で、シンプルなデザインの器が好みです。


自宅でも、こんな感じで沖縄そばを楽しんでいますよ。

 



5.自分が好きな器を見つけてみよう

沖縄そば専門店の多くで、こだわりを持って器を使用しています。

特に沖縄の焼き物、「やちむん」を使っているお店が多く、沖縄の文化を大切にしているんだと思います。

普段何気なく食べている方も多いと思いますが、沖縄そばだけでなく器の方にも目を向けると、また新しい発見があるんじゃないでしょうか。

意外と、器の方からお店のこだわりが見えてくる事もあるかもしれません。



個人的にお薦めなのが、沖縄のお土産に、沖縄そば用の焼き物を一つ買って帰ること。

観光が終わって、いつか自宅で沖縄料理を食べる機会もあると思うのですが、器ひとつでグッと美味しさが変わります。
特に沖縄料理には、やっぱり沖縄のデザインの器が合うはず。

那覇市の壼屋や、読谷村などで、沖縄の焼き物の工房を巡り、お気に入りの器を見つけるのはすごく楽しいと思います。