さんぺいの沖縄そば食べ歩き

沖縄生まれ、沖縄育ち。沖縄そばの食べ歩き日記です。

きしもと食堂 八重岳店

ども、さんぺいです。

皆さん勤労感謝の日いかがお過ごしですか。
休みだった方も、お仕事だった方も、お疲れさまです。

私は半分仕事といった感じの1日でした。
最近は忙しくしていて、なかなか丸1日休みはいただけないですね。
ま、忙しいのはいいことか。
今は記事を書きながらワールドカップの試合を待っています。



さて、今回は本部町伊野波にある『きしもと食堂 八重岳店(やえだけてん)』への訪問してきました。

『きしもと食堂』と言えば、たぶん沖縄県民なら知らない人はいないであろう沖縄そばのレジェンド店です。

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本店は、本部町渡久地にあり、創業は、明治38年(1905年)と言われていて現在営業している沖縄そば屋では最も古いお店です。

沖縄は、太平洋戦争で地上戦の被害があったこともあり、戦前から続く飲食店はほとんど無いんですよね。
戦前はたくさんあったであろう沖縄そば屋さんも、戦後に引き継がれているのはごくごくわずかだと思います。

 

 

『きしもと食堂』の特徴は、沖縄そばの伝統的な技法も守られていること。

元来、沖縄そばは、木灰汁を用いて麺作りをしていましたが、現在ではかん水を用いることが多く、手打ちの麺も貴重になっています。

それらを守っている『きしもと食堂』は、沖縄そば界の宝と言ってもいいかもしれません。




kishimotoshokudo-yaedake.gorp.jp

今回は、渡久地の方の本店ではなく、伊野波にある『きしもと食堂 八重岳店』を訪問しました。

本店へ行かれた方は分かると思いますが、伝統的な建物を引き継いで営業をされていることもあり、席数はかなり少なく、大人気店ということもあり行列は必至なのです。

『八重岳店』は、本店と同じ技法で作られており、席数・駐車場ともに広めということで、私はよく利用しています。

手軽に老舗の味を楽しめるという点がありがたいんですよね。



しかし、やっぱり『八重岳店』も人気店。
ピークを外してと思って13時30分に訪問しましたが、まだまだ行列が。
結局30分待ちの後での入店となりました。

表に貼ってあるとおり、『きしもと食堂 八重岳店』のメニューは本店同様に、直球1本勝負。

沖縄そばは、「岸本そば(三枚肉と赤肉の沖縄そば)」の1種類のみ。
伝統の味を守る矜持を感じます。

サイズは、特大、大、小から選ぶことができ、名物のサイドメニューじゅーしーもあります。

注文は食券で。



店内は、沖縄そば専門店らしい雰囲気で、沖縄県民にとっては昔ながらのそば屋といった感じ。
入りやすい雰囲気で、老若男女問わず利用しやすい。
家族連れなどにも良いと思います。

私は、定番のカウンター席へ。



今回は、岸本そば(大)850円、じゅーしー300円をいただきました。

久しぶりの『きしもと食堂』だ。
テンション上がるなー。



写真からも分かると思いますが、黒に近いスープの色が『きしもと食堂』の特徴の一つ。

ひと口飲むと鰹節の出汁がバッと広がります。
そして、醤油が効いていて、味つけはしっかり目。
酸味も感じられます。

最近の沖縄そばでは、塩味で控えめに味付けする店が増えていますが、醤油をしっかり効かせているんです。

鰹の風味が強く感じられるのと、醤油のキレが印象的なスープ。
力強いスープです。

 

木灰を用い手打ちしているという麺。

最近沖縄そば麺のトレンドは細麺が人気で、新店は細麺を出すところが多いです。
それと比較すると、だいぶ太く、ほぼ太麺といって良いぐらい。

印象としては、うどんに近い感じです。

名護特有の幅広麺ほど幅はありませんが、厚みがすごく印象的。

沖縄そばは、ほとんどが角ばっている平打麺ですが、その中でも『きしもと食堂』の麺はかなり厚い麺になっています。



そのため、存在感は抜群。

いまどきの生麺とも違って、プリッとした食感や、強いコシではなく、昔ながらの沖縄そば麺特有の食感。
歯がゆっくり入っていくような感じと言えばいいんでしょうか。

ラーメン、うどんとも違う食感を、ひと口ずつ味わいながら食べました。




具材は、三枚肉と赤肉。

味のしっかり染みた三枚肉は、トロトロにせず、しっかりと食感を残しています。
赤肉も、パサパサとした食感が、最近の沖縄そば屋にはない味わいで最高。

トロトロや柔らかさを追求する昨今の流れに乗らないところが素敵。


 

久しぶりの『きしもと食堂 八重岳店』だったのですが、一杯を食べ終えて強烈に印象に残ったことがありました。

醤油をしっかり効かせたスープであったり、太麺であったり、トロトロにしない豚肉であったり、『きしもと食堂』の沖縄そばって、最近のトレンドとは逆のものが多いんですよね。

もちろん沖縄そばにも色々な潮流があるので、『きしもと食堂』が全ての元祖とは言えないと思うのですが、意外にも似たような後続がいないんだなと感じました。



それが逆に『きしもと食堂』の昔ながらの正統性やオリジナリティを際立たせるなとも思います。

昔からの変わらない味を食べられるのは本当に貴重だし。
味わい深い沖縄そばは、やっぱり美味しい。

そんな『きしもと食堂』の凄さにあらためて気づいたのも、最近たくさん沖縄そばの食べ歩きをしているお陰ですね。
前はそんな所までは意識してなかった。



何周かして分かるレジェンドの凄さもある。

これだから、沖縄そば食べ歩きはやめられないんですよね。

 



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