ども、さんぺいです。
移り変わりが早い飲食業界で、お店が続くのは大変なこと。
特に戦争を体験し、アメリカ統治時代を経て日本に復帰するなど激動の歴史を歩んできた沖縄では、長く続いている沖縄そば屋さんは多くありません。
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創業が1905年の『きしもと食堂』や、
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1923年の『新山食堂』など奇跡的に続いている例はありますが。
そんな中で、戦後すぐの1949年に創業し、70年以上続く老舗の食堂へ行ってきました。
うるま市石川にある『まるみつ食堂』です。
場所は、幹線道路の国道331号線沿いです。
沖縄本島の東海岸に沿ってはしっている大きな通り。
沖縄自動車道の「石川IC」を下りてすぐなので、どこからでもアクセスしやすいお店です。
331号線を北向きに行くと、左手にお店が見えます。
店舗前と、横に駐車場が用意されています。
車での訪問も安心。
お店は、外観も内装もごくごくシンプル。
余計な装飾がない簡潔なつくりで、すごく落ち着きます。
昔ながらのこんな食堂が大好き。
席は、テーブル席に小上がりの席、そしてカウンター席があります。
増築したのか、付け足すような形で、店外にもカウンター席が設けられています。
人気があってお客さんが入りきれないんでしょうね。
厨房から品出しする用の、小窓が付いてるのがレトロな感じで良い。
そう言えば『きしもと食堂』や『山原そば』にもこんな窓があったな。
昔はみんなこんな感じだったのかな。
注文は食券制です。
『まるみつ食堂』の沖縄そばは、ノーマルに、軟骨ソーキそば、三枚肉そば、野菜そばなどがあります。
珍しいところでは「肉汁そば」なんてメニューも。白味噌ベースのそばです。
沖縄そばのほか汁物も充実していて。
みそ汁、中味汁、ソーキ汁、てびち汁など沖縄の汁物オールスターが勢ぞろいしています。
石川と言えば、豚の豚足「てびち」が有名という事で、今回はてびちそばを注文しました。
器からはみ出しそうな大ぶりのてびちが圧巻です。
店員さんから「1番に来たお客さんにはサービスよ~」と嬉しい声掛け。
てびちと言うと、トロトロなものをイメージしますが、『まるみつ』は食感を残したタイプ。
この肉身のしっかりした豚肉にかぶりつくのが最高。
ガブッと歯を入れる時の肉食べてる感がハンパない。
これは初めててびち体験です。
プルっとした部分と、歯応えしっかり部分のコントラストも魅力的。
味付けの方も、一般的な甘辛で濃いめではなく、塩ベースで上品に仕上げています。
なので、ボリュームがあってもペロッといけます。
自分も色んなてびちを食べてきましたが、これは初めてのタイプ。
まだまだ、てびち白帯だなと感じました。
ほんと、沖縄そばもてびちの世界も奥深い。
スープは薄っすら白濁した豚骨ベース。
穏やかな味付けで、さっぱりとしていて油ぽさもありません。
ただ動物系の深いコクはしっかりあって引き込まれてしまう、絶妙なバランス。
聞いたら、出汁を取る時に隠し味でセロリも使っているそうで、なるほど色んな工夫をされてるんですね。
くどい感じが全然ないので、最後まで美味しく飲み干せます。
麺は、中北部らしい、幅広の平打ち麺。
写真から、南部の沖縄そばとの違いが分かるでしょうか。
この幅の広い麺が独特の食感を生み出します。
きしめんのような感じかな。
名護の三角屋製麺所ほどの幅広ではなくて、中ぐらいの幅。
細くて固めの麺とはまた違った魅力があるんです。
この伸びやかな麺も大好き。
歴史が詰まった、『まるみつ食堂』のてびちそば。
優しい飽きのこない味わいで、インパクト重視の昨今の料理とは一線を画す沖縄そばでした。
こうしてオールドスタイルのそばが今でも食べられるのは、沖縄そばファンとしては本当にありがたいです。
流れていく時代の中で「味」は止めておくのが難しいもの。
これからも長く続いてほしい沖縄の宝です。
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