このテーマ【沖縄そばと本】では、私が出会った沖縄そばに関する本を紹介していきたいと思います。
これを読んでくれて、こんな情報もあるよ!とアドバイスをいただけたら、凄く嬉しいです。
マニアックな企画ですが、沖縄そばの世界を読者の皆さんと一緒に探訪できたら嬉しいです。お付き合いください。
【沖縄そばと本】10回目は、平川宗隆著、『世界に広がる 沖縄SOBA』です。
編集工房東洋企画から2018年に発行された本。
タイトルのとおり、世界に広がる沖縄そばの現状をレポートした内容となっています。
この本を読むきっかけからお話したいのですが。
5月にテレビ番組の出演して以来、TwitterやInstagramにたくさんの反応をいただきました。
この中で面白かったのが、世界の沖縄そばについての情報を教えていただいたこと。
特にジョルジさん(Twitterアカウント @JorgeHiroki)
からは、南米ブラジルの沖縄そば事情について教えてもらい、先日にはブラジルから来たお客さまとお会いすることも出来ました。
写真はジョルジさんからいただいたものですが、ブラジルでは私が想像していた以上に沖縄そばが浸透しているらしく、特にカンポグランデ市では「SOBAフェスティバル」が開催されるほど、沖縄そば推しなんだそうです。
ほかにもyamamormot(Twitterアカウント @yamamormot)さんからは、ハワイの沖縄そば事情を教えてもらい、ハワイでも一般的に沖縄そばの麺が食べられていることを知りました。
<ブラジルの沖縄そばの写真>
本著『世界に広がる 沖縄SOBA』では、元琉球政府職員で獣医師の平川氏が世界を巡り出会った沖縄そばを紹介されています。
特に、ブラジル、ボリビア、ハワイ、ニューヨーク、カナダなどでの沖縄そば、麺事情をレポートされています。
特に興味深かったのは、やはりブラジル。
沖縄は戦前・戦後を通じて海外への移民が多かった県でもあり、特に南米に沖縄県系人が多くいる事は、私も知っていました。
ですが、こんなに沖縄そばが地域に根付いていることは知りませんでした。
特にブラジルのカンポグランデ市では、日系移民が約1万5千人住んでおり、その約半数が沖縄県系人なんだそう。
沖縄出身者が持ち込んだ沖縄そば文化が浸透し、沖縄そばは市の文化遺産に登録されているです。凄いですね。
ちなみに、カンポグランデ市の沖縄そばの特徴としては、豚骨ではなく牛から出汁を取り、具材も牛がメイン。
スープの味付けは醤油でやや濃いめ。
具材は牛肉の細切りが多く。醤油味で、甘めの味付けはブラジルの方は好まないんだそうです。
また、具材としては、錦糸卵が多い。
地域的に、沖縄とは同じ食材が揃わなかった事、現地の方の嗜好に合わせる形で変化していった事が理由ようです。
書籍では、ブラジル以外でも、ボリビアやあハワイなどで、どのように沖縄そばが親しまれているのか、製麺工場や店舗、また味のレポートなどが掲載されています。
私たちは普段、沖縄そばは沖縄でしか食べられていないと思いがちですが、いやいやそんな事はなく。
幅広い地域で、沖縄そばは食べられ、また独自の進化を遂げているんです。
世界での広がりを知ることができる貴重な本だと思います。
個人的には、「世界の沖縄そばを取材してみたい」という夢がまた一つ増えました。
いつかブラジルへ行ってみたいなぁ。
<沖縄そばと本の一覧>