さんぺいの沖縄そば食べ歩き

沖縄生まれ、沖縄育ち。沖縄そばの食べ歩き日記です。

あらぐすくそば 語れー小ー  首里のDNAを受け継ぐ沖縄そば

ども、さんぺいです。

今回は、昔ながらの沖縄そばの麺を食べられる貴重なお店を訪問しました。


那覇市首里寒川町にある『あらぐすくそば 語れー小ー』。

「語れー小ー」は、「かたれーぐゎー」と呼んで、沖縄の方言で語らいといった意味です。
割烹を営んでいたご主人が、お店でゆっくりと語らってほしい、そんな想いで付けたんだそう。



個人的に店には思い出があって、以前、首里儀保にあった際によくお店の前を通ったんです。

店は、割烹からはじめて、南風原町や、都ホテル前、首里儀保などを経て2014年から現在の場所に。

割烹時代から沖縄そばを提供し、もう40年以上になるんだそう。



場所は、「観音堂」の近く。

首里高から坂下へ下っていく途中。
ノボテル沖縄那覇の手前の信号から、観音堂へ行くように左折します。

左折後は、すぐに路地へ右折。
路地を入っていくと右手にお店が見えます。

お店の前、他に駐車場が、4台分ぐらいあります。

 



首里の住宅街にある店は、落ち着いた雰囲気。

木調を基本とした店内で、華美な装飾はなくコンパクトなつくりです。



席は、2名から4名がけのテーブル席が、複数あります。



店内に飾られている、やちむん(焼き物)や、紅型などインテリアがとても素敵です。

アンガマのお面も。

歴史あるお店だけあって、小物ひとつひとつを見るだけでも楽しい。



高齢のご夫婦でお店をやられているそうで、提供に時間がかかることもあるようです。

この日は別に従業員さんもいて3名で対応されていました。

テキパキと提供されていて、接客もとても丁寧でした。
話をちょっと伺うことが出来たのも嬉しかったです。



『あらぐすくそば』のメニューです。

三枚肉の沖縄そばを基本として、本ソーキそば、てびちそばがあります。

全部のお肉をいただける「わんぱくそば」も。

サイドメニューにはもちろん定番のジューシーがあります。



今回は、ソーキそば850円をいただきました。

まさに王道といった雰囲気の堂々としたソーキそば。

本ソーキに、かまぼこ、ネギとシンプルな構成。



スープは、沖縄の人が沖縄そばで思い浮かべる、昔ながらのオーソドックスな味。

豚、鶏、鰹節で出汁を取っていて、鰹の出汁が効いた酸味も感じるキリっとしたスープです。



あっさりとした後味ですが、旨味は十分。

優しくて、じんわりと染み入る感じ。

主張が強すぎないというか、控えめで、だからこそ最後まで美味しいスープになっています。




注目してほしいのが自家製オリジナルの麺。

中太の平打ち麺で、コシが強く、固め、プツンと切れる食感が特徴です。
これだけ固めの麺は、最近ほとんどなく、昔ながらの麺だなと感じました。

お聞きすると、割烹時代から沖縄そば好きだったご主人。
当時は1日3食、そばを食べていたとか。

そんな沖縄そば好きのご主人が、目指したのが今では伝説のお店『さくら屋』のそばだそう。

okinawasoba.hatenablog.com

『さくら屋』は、那覇市首里当蔵町で、昭和26年から平成5年まで営業されていた沖縄そば屋です。
戦後、老舗の沖縄そば屋が閉店していく中で、昔ながらの沖縄そばづくりや味を最後まで残していた店として有名。

向田邦子さんは著書『女の人差し指』の中で『沖縄胃袋旅行』というエッセイを残しており、その中で『さくら屋』が取り上げられています。




本ソーキは、厚みがあってどっしりとしたお肉。

味付けは濃すぎず、昔ながらのしっかりと食感を残したタイプでした。

食べ応えがあって、まさに王道のソーキ。



伝説の『さくらや』にインスパイアされた『あらぐすくそば』の麺。

こんな形で、首里のDNAが連綿と受け継がれているなんて感激です。

最近だと自家製の生麺が流行っていたり、製麺所の麺も豊富ですが。
このタイプの歯応えのしっかりした力強い麺は、今ではなかなか食べられないと思います。

貴重な沖縄そばなので、沖縄そばマニアの方は絶対に今、食べることをお薦めします。


 

ジューシーは、パラパラとした固めのタイプで優しい味付けでした。
まーさん。




沖縄そばの器がすごく素敵だったのでご紹介。
こんな器がほしいな。

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器にこだわると、沖縄そばがよりいっそう美味しくなります。
こちらの記事も、是非ご覧ください。




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那覇市沖縄そば一覧】

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