ども、さんぺいです。
那覇市では現存する最古の沖縄そば屋さん『むつみ橋 かどや』を訪問しました。
創業は、1952年(昭和27年)。
戦後すぐで、沖縄はまだアメリカの施政権下にあった時代です。
もちろん私は生まれる前で、こんな歴史ある沖縄そば屋さんが今も続ていることが嬉しい。
趣のある外観。
冊子『沖縄そば100』によると、1952年の創業時には国際通りと市場本通りが交差する角にあったため「かどや」と名付けたんだそう。
現在の場所には1972年に移転されたそうです。
場所は、国際通りのドンキ前。
沖縄の中でも最も移り変わりが早い国際通り。
そこで、営業をこれだけ続けているのは本当に凄いことだと思います。
『かどや』と言えば、店頭にあるケースが象徴的。
丼に沖縄そばの麺が入った状態でストックされています。
沖縄そばの麺は「茹で麺」のため調理がすぐでき、提供が早いのも特徴。
沖縄そばならではの光景ですよね。
歴史の詰まった店内は、全てに味があります。
コンパクトなつくりで、開店すると直ぐに店は満席に。
席は、カウンター席とテーブル席があります。
街中の沖縄そば屋さんといった雰囲気で、サッとそばを食べていく感じ。
この日も常連さんから、サラリーマン、観光客まで国際通りらしく様々なお客さんが訪れていました。
厨房前のカウンター席。
香辛料は、七味にコーレーグース。
那覇の沖縄そば屋では珍しいピパーチも置いています。
メニューは、ごくごくシンプルで、かけそば、三枚肉そば、ソーキそば、ロースそばの4種のみ。
サイズがない代わりに、沖縄そばでは珍しい「替え玉」ができます。
サイドメニューは、ジューシーではなく「いなり」があります。
今回は『かどや』らしい、ロースそば600円といなり100円をいただきました。
沖縄そばの定番と言うと三枚肉で、最近では軟骨ソーキが流行りですが、『かどや』では昔から、赤肉を扱っています。
一面に盛られた赤肉が印象的で、価格も驚きですよね。
うっすらと白濁したスープは、豚骨をベースにした豚の出汁のみを使っているんだそう。
最近では、豚骨を前面に出す沖縄そばが少なくなっている中で、貴重です。
しっかりと豚の旨みコクがあって、でも尖った所がなくとてもマイルド。
上質な豚のスープで油の感じもほどよく、動物系のパンチがあるのですが、くどさはありません。
塩味はきつくなく、優しく包み込むようなスープ。
不思議な魅力があって、時間が経つとまた飲みたくなるんですよね。
麺は中太で、平打ち。
沖縄そばの定番とも言えるような麺で、もっちりとしていて重厚感があります。
食べ応えしっかりです。
ロースは、しっとりとした食感。
派手な味ではありませんが、奥までしっかり味が染みていて噛むほどに美味い。
脂身がないのが特徴で、大振りですが重たくなく、純粋にスープと麺の美味しさを楽しめます。
『かどや』で、珍しいのが替え玉ができる所。
注文すると、器に入って出てきます。
しかも三枚肉付き。
これで100円はめちゃくちゃお得ですね。
残ったスープに替え玉を投入。
香辛料の「ピパーチ」をかけて味変を楽しみました。
これが豚骨スープにもの凄く合っていて最高。
こってりな旨みに爽やかな辛味がプラスされ、また違った魅力を味わうことができます。
甘酸っぱいいなりと、豚骨スープのマリアージュ。
伝統の沖縄そばを、今もこうして味わえる喜びを感じながらいただきました。
70年を超え引き継がれる沖縄そばを、気軽に食べられるのって思えば凄いことですよね。
あらためて感じるのが『かどや』の個性的な味。
ほかのどの沖縄そば屋とも違うなと感じる独特のスープ。
だからこそ長年多くのそばじょーぐー(沖縄そば好き)に、「ここじゃなきゃダメ」と愛され続けているんでしょうね。
まーさん。
【那覇市の沖縄そば一覧】