ファミレスやファストフードの飲食店が増える前。
沖縄で普段使いの飲食店と言えば「食堂」でした。
地上戦を経験し、多くの犠牲があったことから、戦争未亡人がはじめやすい仕事として「食堂」をはじめたという話もあります。
沖縄の復興を支えてきたものの一つに、間違いなく「食堂」があったと思います。
このブログをは始めたのが、昨年の6月23日。
10か月ほどが経ちますが、「沖縄そばを食べ歩く」というテーマを掲げたことから、今まで以上に沖縄そば専門店や食堂を意識するようになりました。
これまでは、何気なく食べ歩きをしていたのですが、できるだけ未訪問のお店を探すようになったのです。
今回、紹介したいのもそんなお店。
浦添市屋富祖にある『はつみ食堂』です。
場所は、浦添市のパイプライン通り、大平特別支援学校の向かいにあります。
有名な通りで、私も頻繁に利用するため、何度も『はつみ食堂』の前を行き来していたのですが、その存在を最近まで意識することは無かったんですよね。
それが、感動的に美味しい「肉そば」と出会い、なぜもっと早く訪問しなかったのかと後悔しました。
灯台下暗し。
大切なものは、自分の身近な所にあるものなんですね。
店は、40年以上続く歴史ある「食堂」。
入口に書かれた、退色した黄色に黒字で「はつみ食堂」の文字が印象的です。
とても年季が入った外観。
店の裏には、駐車場も在ります。
商業地のパイプライン沿いでも、駐車場が在るのはありがたい。
店内は、テーブル席が5つと、奥の座敷に机が2つ。
小ぢんまりとしたつくりは、めちゃくちゃ自分の好みです。
内装も、沖縄の「食堂」定番の雰囲気で、既視感があるほど。
壁のメニューから、注文の品を選びます。
煮付け、野菜炒め、やきめし、ちゃんぽん、カツ丼・・・。
沖縄食堂の定番が並んでいますね。
沖縄そばは、ノーマルの(大)(小)に、肉そば、野菜そばがありました。
今回は、目当ての肉そば700円をいただきました。
ちなみに「肉そば」って何?という方は、以下の過去記事を参照ください。
沖縄そばのもう一つの可能性、「肉野菜そば」です。
運ばれてきたのが、こちら。
『はつみ食堂』に肉そばです。
器からはみ出しそうな、肉、野菜、麺が印象的な肉そば。
スープから一口。
その優しい味わいに、まず驚きました。
「肉そば」「肉野菜そば」は、簡単に言うと、豚肉と野菜の炒め物を沖縄そばにオンした料理です。
特徴として、炒め物が乗っているので、通常の沖縄そばよりも、味が濃くなりパンチがでる点が挙げられます。
でも『はつみ食堂』のスープは、野菜の甘味が染みて滋味のある味わいながら、油濃くなく、味つけもすごく優しい。
この味の虜になってしまいました。
食堂の野菜炒めだけあって、間違いない美味しさ。
にんじん、もやし、葉野菜とシャキシャキした食感で、味付けがほど良い。
もちろん、野菜だけでなどっさりと乗った豚肉でボリュームある一杯になっています。
一口サイズで食べやすく、控えめな味付けの豚肉は、もういくらでも食べられる。
この肉、どことも違う『はつみ食堂』でしか味わえないお肉だと思います。
この野菜炒めに豚肉と合わせてそばを啜れば、至高の時間。
沖縄そばの麺は、中太でしっかりとコシもあって、ゆで加減も良い感じでした。
重すぎず、『はつみ食堂』の優しい肉そばとちょうど良く合った麺。
徐々に肉と野菜の旨味が染み込んでいったスープは、尖ったところがなくて、とにかく優しい味わいで。
「肉野菜そば」と言うと、パンチ、ボリュームと思いがちですが、また違った魅力を発見しました。
毎日でも食べたい肉そばです。
浦添市屋富祖の『はつみ食堂』。
出会えたことに感謝。
これからは、定期的に通います。
【浦添市の沖縄そば一覧】