さんぺいの沖縄そば食べ歩き

沖縄生まれ、沖縄育ち。沖縄そばの食べ歩き日記です。

なかざ家

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沖縄そばの特徴は、鰹出汁と豚骨の出汁をミックスして作られるところですが、沖縄そば専門店によって、どちらの出汁をメインに用いているのか、これが好みの分かれるところです。

小さな頃から沖縄そばを食べて育った沖縄県民には、必ずと言っていいほど「推し」の沖縄そば屋があり、「推し」の理由の一つは、この「鰹出汁、豚骨出汁どっち派?」によります。

例えば、

「私はやっぱり『〇〇そば』が好き。澄んだスープで、すっきりとした後味の鰹出汁が一番!」という人もいれば、


「いやいや、沖縄そばは、濃厚な豚骨出汁が効いたコクのあるスープが魅力。『〇〇』のそばが一番!」

という感じ。

沖縄県民長年の論争は、以下の過去記事にまとめています。

okinawasoba.hatenablog.com


そこで、最近、食べ歩きをする際に気になっていたのが、豚骨を主体とする沖縄そばの減少です。

超個人的な感想ですが、ここ10年の沖縄そばのトレンドとして、鰹出汁を効かせたあっさり系のスープに、細麺という流れがあると思います。

新店では、鰹出汁を前面に出したお店が多いような気が。



もちろん、この組み合わせは完成形というか、凄く美味しいし、ファンの心を掴んでいると思うのですが、一方で寂しく思っていたのが、豚骨を前に出したパンチのある沖縄そばの新店が少ないこと。

1952年創業、那覇市で現存する最も古い沖縄そば専門店『むつみ橋 かどや』は、豚骨を主体としたスープで長年人気を博しており、沖縄そばにとって、豚骨ベースは珍しい存在ではないんですよね。

むしろ、昔はもっと豚骨を前に出したそばが多かったような気がします。


<『むつみ橋 かどやの過去記事>

okinawasoba.hatenablog.com

 

そんな中で、「遂に、豚骨の逆襲がはじまった!」と感じる店に出会えました。

那覇市金城にある『なかざ家』です。
沖縄そばを広く発信している、おまるさんのブログで開店を知りました。
(おまるさん、いつもありがとうございます)。

omalblog.com


今年、3月にオープンしたばかりの新店ですが、以前は弁当屋として、とても人気があったお店です。

実は自分も「百円そば」巡りをする中で、弁当屋のレベルを超えた沖縄そばに驚いた覚えがあります。

なので、沖縄そば専門店へリニューアルしたと聞いて、すごく楽しみにしていたんですよね。

弁当屋時代の『なかざ家』の過去記事>

https://nagominiikou.ti-da.net/e8236483.html

 

『なかざ家』は、那覇西高校近く、ちょうど那覇西消防署の真向かいに当たります。
店舗横に駐車場があります。

開店したばかりとあって、綺麗な清潔感のある店内。
11時に訪問しましたが、すでにお客さんが多くいらっしゃいました。

メニューがっこちら。

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簡潔に、沖縄そばを中心としたメニュー。自信が伺えます。
ノーマルなそばに、ソーキそば、野菜そば、ゆし豆腐そばなどがあり、サイドメニューにじゅーしーや、ほぐしソーキ丼などがあります。

今回は初訪問だったので、店お薦めのソーキそば(中)858円をいただきました。


f:id:sanpei808:20210430064149j:plainオープンキッチンのカウンター席で待っていると、程なくして沖縄そばが。

まず、誰もが驚くはず、乳化した豚骨スープの真っ白なビジュアルです。
沖縄そばでこれだけ豚骨を押し出したスープは、久しぶりというか、すごく珍しいはず。

さらにスープを飲んで二度驚き。
この見た目なのに、豚の臭みは全くなく、円やかな味わいのスープなんです。
丁寧に作られている印象で、雑味がなくてクリア。

塩分もきつくなく、最後まで美味しく飲み干しました。

沖縄そばで、遂にこんなスープが出てきたのかという感じ。
豚骨を主体としながら、無骨というよりは、すごく洗練された印象です。
きっとオールドファンだけでなく、例えばラーメンの方が好きという若者にも刺さるんじゃないかなぁ。

 

f:id:sanpei808:20210430065519j:plain麺の方は、中太の縮れ麺。
しっかりとスープに絡む仕様で、スープとの相性も良かったです。
豚骨のスープにも負けない麺で、食べ応えもありました。



ほかにも印象的だったのが、具材の軟骨ソーキ。
柔らかく煮込んだ軟骨ソーキが、ごろごろと入っています。

味付けが絶妙で、濃いめに味付けされた肉が、豚骨のスープととても良く合います。
新店ながら、めちゃくちゃ完成された味に驚きました。
具材と、沖縄そば本体のバランスって難しいと思うのですが、本当にベストマッチです。


『なかざ家』には、こだわりがいくつかあって。

f:id:sanpei808:20210430070240j:plainオリジナルの生姜や。(一般的な紅ショウガではない)。

f:id:sanpei808:20210430070331j:plainサービスのおから。(口直しに最適)。

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極めつけが、『なかざ家』オリジナルの調味料「豚(とん)グース」。
「豚肉をコーレグースや一味、他様々な調味料で煮詰めて仕上げたもの」だそう。

イメージとしては、ラーメン「一蘭」の「赤い秘伝のたれ」のような感じ。
「豆板醤」とも少し近いのかな。


沖縄そばに、辛味が加わるのですが、「コーレーグースー」が辛味や風味を増すのに対して、「豚グース」は豚肉から作っているだけあって、さらに旨味がぐっと増します。


今回、スープに合わせてみましたが、さらに味わいを増す感じで、美味しかったです。
さっそく1本購入して帰りました。

店では、1本500円で、「豚グース」を購入することができます。
マニアックな沖縄土産としても良いのでは。

 



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初訪問の『なかざ家』。
洗練された豚骨スープのお店で、ここから「豚骨の逆襲がはじまる」予感がします。
豚骨出汁という沖縄そばの伝統を引き継ぎながら、さらにブラシュアップしたような沖縄そば

新たに沖縄そばのファン層を広げるはず。
沖縄そば好きに、是非食べに行ってほしい新店です。