年末最後に当たりを引きました。
年末ジャンボではなく、ガチャでもなく、一番くじでもない。
沖縄そばで。
いつもの通り沖縄そばを食べようかと思っていたところ。
ふと、「中味そば」を注文しようかと思ったんですね。
〈『よね屋』の過去記事はこちら〉
「中味そば」と言うと、本土では馴染みがない方もいるかと思いますが。
「中身(なかみ)」「中味」とも表記される、いわゆる豚のモツ、ホルモンです。
沖縄では、豚の料理が人気で、ラフテーや、ソーキはもちろん、てびち(豚足)、ちらがー(顔)まで、食べちゃいます。
「中味汁」は、昔は特別な日に食べられる料理で、正月や祝いの場で欠かせない家庭料理になっています。
ホルモンという事で、敬遠する方もいるかもしれませんが、ホルモンと椎茸でつくられた「中味汁」は旨みの固まりで、食感も最高、沖縄県民にとってご馳走の一つなんです。
そんな「中味汁」と沖縄そばを合わせたのが、「中味そば」。
沖縄そば+○○は、色々なパターンがありますが、「中味そば」もその一つ。
沖縄そば専門店や、食堂で、メニュー化している所があります。
今回は、『よね屋』のランチメニューで、「中味そば」700円をいただきました。
お正月も近いし、と言うことで何気なく頼んだ「中味そば」。
これが、今年最後に、今年一番の衝撃になりました。
まず、運ばれてきた瞬間、見た目から美しい「中味」。
けっこう大ぶりの、「中味」。
まず、一口食べて、「中味」の美味しさに驚きます。
丁寧に処理されているのが分かる上質なホルモンで、食感が良く、味付けも抜群で、めちゃくちゃ美味い。
「中味」としての完成度がまず高い。
さらに、「中味」と椎茸の旨みが溶け出した、沖縄そばのスープ、中太の沖縄そばの麺と合わせて食べると、旨さ倍増。
「中味」「麺」「スープ」で、永久にループできる旨さです。
それぞれが美味しいけど、食感のバラエティや、合わさった時の「中味」とスープの旨さは、やっぱり「中味そば」じゃないと出せない美味しさ。
上品な味付けだけど、混然となったジャンク感もどこかにあって、唯一無二の美味しさになっています。
正直言って、これまで、「中味汁」と沖縄そばを一緒に食べる発想があまりなかったのですが、今回、猛烈に後悔しました。
『よね屋』の「中味そば」、猛烈に美味しい。
ちなみにですが、「中味そば」を今まであまり食べてこなかったのは理由があって。
「中味」(ホルモン)は、扱いが難しいのか、また沖縄料理を出すお店でも、バラつきが大きい気がします。
また、個人的な好みが分かれる所もある。
考えてみれば、『よね屋』は老舗の居酒屋として人気で、沖縄料理を長く扱っているから、もちろん「中味」が美味しいのは納得なんです。
沖縄そばとのバランスも難しい所ですが、『よね屋』の「中味そば」は双方の良い点を活かして、完璧な一杯になっています。
これは、『高江洲そば』のゆし豆腐そばなどと並んで、個人的沖縄の無形文化財に指定したいぐらい。
こんな、思いがけない当たりや発見があるから、沖縄そばの食べ歩きは楽しいですね。
うちなーんちゅで、長く「中味汁」を食べてきた人なら、絶対に美味いと唸ると思います。