さんぺいの沖縄そば食べ歩き

沖縄生まれ、沖縄育ち。沖縄そばの食べ歩き日記です。

八重善(やえぜん)


ども、さんぺいです。

沖縄そばのスープは一般的に鰹節や昆布、豚骨で出汁を取ります。
専門店や食堂、家庭で食べる沖縄そばの出汁の基本はだいたい同じなのですが。

中には突然変異的に変わった沖縄そばが生まれることも。
私も沖縄そばマニアとして色々なそばと出会ってきました。

okinawasoba.hatenablog.comまずは、「山羊そば」。
沖縄では山羊を食べる文化があり、牛肉や豚肉よりも好きという方も多いです。
「山羊そば」はわりとメジャーで、山羊料理店や食堂で食べることができます。

okinawasoba.hatenablog.com車海老が有名な久米島で食べられる「車海老そば」。
具だけでなくスープにも車海老を用い、濃厚な旨みの詰まったそばです。

okinawasoba.hatenablog.com与那国島で出会った「魚汁そば」。
鰹節や煮干しなど乾物で出汁を取ることはありますが、魚汁と沖縄そばを合わせるのは極めて珍しい。
味噌を使うことで上手く仕上げています。



今回はさらにインパクト抜群な、イカ墨の沖縄そばを食べてきました。

お店は、本部町並里にある『八重善(やえぜん)』。

元祖「いかすみそば」のお店で、創業1995年のベテラン店。
長年のキャリアは、イカ墨が飛ぶ道具的な思いつきではなく、名作として定着している証拠です。



美ら海水族館がある本部町の県道84号線沿いに店があります。
沖縄そば街道」とも呼ばれ、沖縄そばの名店が多いことでも有名な通り。

水族館への行き帰りに利用するのもお薦め。

店舗前と横に駐車場も用意されています。



店内は、昔ながらの沖縄そば屋さんといった雰囲気。

大小のテーブル席に、小上がりの席あります。
家族連れでも安心して利用できるキャパの大きさ。



年季は入っていますが、清潔感があってインテリアもお洒落です。



『八重善』のメニューです。
三枚肉そばに、本ソーキそばが基本で、野菜そばにてびちそばも揃っています。

天ぷらそばは、沖縄そばでは珍しいですね。



沖縄そばは、じゅーしー、小鉢が付いてくるセットにすることも出来ます。



定食類が充実しているのも嬉しいところ。

ゴーヤーチャンプルーやなす味噌定食、天丼も美味しそう。



今回は目当てのイカ墨そば、1280円をいただきました。
1日限定10杯の貴重な品、じゅーしーのおにぎり付きです。



沖縄にはもともとイカ墨汁を食べる文化があり、これを沖縄そばと融合させた一杯。

まず何と言ってもこのルックスに驚きますよね。
黒一色のスープに、麺も具も黒に染まりダークサイドに落ちたその姿に目を奪われます。



一見、濃いスープをイメージしますが、意外に飲み口は穏やか。
味付けはあくまでソフトに、イカ墨のコク、旨みが広がっていきます。

この他では味わえないイカ墨特有のコクが最大にポイント。
ホントうっとりするような美味しさなんです。

歯が真っ黒にあることは避けられませんが(笑)
そんなこと気にならないぐらい美味しい。

塩味中心に優しい味付けで、円やかなスープになっています。



合わせるのは中細の平打ちストレートの麺。

やや幅広の麺は独特の食感。

イカ墨汁との絡みも良く、啜り心地も良い滑らかな麺でした。



具は盛りだくさんのイカ、そして豚肉の細切りが入っています。

イカは様々な部位を用いることで、異なる食感が嬉しい。
柔らかなのも特徴です。



じゅーしーのおにぎりは控えめな味付けで、イカ墨汁を邪魔しない絶妙なバランス。
ニンジン、豚肉、ひじきと具沢山で、スープと合わせて美味しいじゅーしーでした。



『八重善』のイカ墨そば。

豚肉の旨みも合わさって、全体のバランスが絶妙な構成になっています。

イカ墨汁に沖縄そば麺を合わせたとか、そんな単純な感じじゃなくて。
スープ、麺、具材のバランスが緻密に計算された、完成度の高い一杯でした。
さすがベストセラーですね。

貴重なイカ墨の沖縄そば
ここでしか味わえない一杯ですので、本部町を訪問の際は是非。



本部町沖縄そば一覧】

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