【あやぐ食堂全制覇への道】
人生で、ささやかな夢って、誰しもあると思います。
ハリウッド俳優になりたいとか、3億円当てたいとか、そんなんじゃなくて。
ケーキを1ホール食べてみたいとか、憧れの場所へ行ってみたいとか、出来そうなんだけどやってないやつ。
自分の以前からの夢で、沖縄そばの食べ歩きもそうなんですが、那覇市首里の『あやぐ食堂』のメニューを全制覇してみたいっていう願望があって。
これは今やっとかないと、きっと後悔すると思い、企画を立ち上げました。
沖縄そば食べ歩きとは少しズレますが、沖縄の名物食堂の記録と記憶を残したい、さんぺいの夢の実現に付き合ってもらえたら嬉しいです。
〈『あやぐ食堂』の過去記事〉
17回目の今回は、「すき焼き」630円をいただきました。
近頃は、沖縄もだいぶ寒くなってきて、朝方には20度を切る日もしばしば。
20度かよ!と本土在住の方ならツッコミも入れたくなると思いますが、沖縄県民にとって20度を切ると、だいぶ「寒く」感じます。
半袖から、長袖にし、パーカーをはおるような時期ですね。
寒くなると俄然美味しくなってくるのが、沖縄食堂の「すき焼き」。
「すき焼き」と言っても、本土のすき焼きとは違い、沖縄の食堂で提供される「すき焼き」は、「沖縄風すき焼き」と呼んだ方が良いのかもしれません。
630円という価格設定からも分かるとおり、リーズナブルで庶民的な、食堂の味なのです。
沖縄の食堂では、『あやぐ食堂』以外でも広く「すき焼き」が提供されており、メジャーなメニューと言えます。
「すき焼き」と言うと鍋物のイメージですが、沖縄の場合は、ひと皿で提供されます。
焼肉、豆腐、葉野菜、そして甘辛い割り下といった基本構成は一緒ですが、高級料理ではなく、あくまで庶民的な定食となっています。
「カツ丼」や「Aランチ」、「みそ汁」など沖縄の食堂では独自の進化を遂げた料理が多く、「すき焼き」もその一種なんじゃないでしょうか。
おそらく、沖縄県民にとって、長い間「とんかつ」や「すき焼き」は高嶺の花で、そんな高級料理をお腹いっぱい食べたいという願望が、大衆食堂で実現したいんじゃないかな。
そんな訳で、風も少し冷たくなってきた沖縄で、数あるメニューから「すき焼き」をチョイス。
程なくして運ばれてきた、これが『あやぐ食堂』の「すき焼き」。
沖縄の食堂だと、たいていこんな感じです。
見た目の通り、高級で繊細な料理と言うよりも、豪快でボリューミーな庶民の定食といった雰囲気。
熱々の「すき焼き」が、この時期たまらん。
とにかくデカい島豆腐(沖縄の木綿豆腐)。
そして、山盛りの葉野菜、遠慮なく乗った牛肉に、皿の下には春雨、もちろん「すき焼き」と言えばの卵も。
パラリとネギもふられています。
これを一気にかき込みます。
お上品な料理じゃないので、これはもう食べる順番とか関係ナシ。
牛肉も野菜も豆腐も、食べたいものを食べたいように、時には一緒に食べる。
割り下と一緒になった、牛肉と豆腐がとにかく美味しい。
春雨の食感と、クタッとなった野菜もたまらない。
レンゲが付いていることからも分かる通り、スープ状になった割り下も飲むことができます。
濃すぎない味付けで、具材の旨みも溶け出した汁は、ライスと一緒に食べれば優勝。
この汁だけで、ライス3杯ぐらいいけそうな勢いある。
途中からは、卵を崩して、牛肉の上にオン。
牛肉も、豆腐も、卵と合わせることで、美味しさは無限大に。
もちろん、卵と汁を絡めながら、ライスと一緒に食べれば・・・。
「すき焼き」の甘辛い味付けと良く合うライス。
もちろん『あやぐ食堂』では、基本が大盛。
今回はご飯おかわりしたくなるほど、「すき焼き」との相性は抜群でした。
気軽に食べられるご馳走、沖縄食堂の「すき焼き」。
これからの時期、注文の機会が増えそうです。
沖縄の食堂では一般的なメニューですので、沖縄へお越しの際は是非一度食べてみてください。
その気取らない美味しさがきっと気に入るはずです。