【あやぐ食堂全制覇への道】
人生で、ささやかな夢って、誰しもあると思います。
ハリウッド俳優になりたいとか、3億円当てたいとか、そんなんじゃなくて。
ケーキを1ホール食べてみたいとか、憧れの場所へ行ってみたいとか、出来そうなんだけどやってないやつ。
自分の以前からの夢で、沖縄そばの食べ歩きもそうなんですが、那覇市首里の『あやぐ食堂』のメニューを全制覇してみたいっていう願望があって。
これは今やっとかないと、きっと後悔すると思い、企画を立ち上げました。
沖縄そば食べ歩きとは少しズレますが、沖縄の名物食堂の記録と記憶を残したい、さんぺいの夢の実現に付き合ってもらえたら嬉しいです。
〈『あやぐ食堂』の過去記事〉
16回目の今回は、「とんかつ定食」690円をいただきました。
とんかつと言えばもう、外食の王道ですよね。
私の中でも、とんかつはスペシャル感がある料理で、外で食べる時にやっぱり上位にくる御馳走です。
「お昼はとんかつ」と聞いただけでテンションが上がる、そんな稀有なメニューです。
沖縄の食堂でも、多くがとんかつ定食やかつ丼を扱っていて、メジャーなメニューであることは間違いありません。
ただ、一つ注意点があるとしたら、本土で一般的な「とんかつ専門店」のそれと、沖縄食堂のとんかつは別ジャンルの料理ということ。
本土の肉厚な豚肉を使いパン粉をしっかり付けた、高級料理としてのとんかつとはちょっと違って、沖縄食堂のとんかつは家庭料理に近いもっとカジュアルな存在です。
だからお値段も千円いかないことが多く、普段も気軽に食べられる人気メニューなんです。
個人的には、素材や揚げ方にこだわり、タレも凝った専門店のとんかつはもちろん好きですが、肉は薄いけど豪快で、カジュアルな沖縄食堂のとんかつも大好き。
ではでは、沖縄の食堂を代表する『あやぐ食堂』のとんかつは如何に?
その前に一大事が。
上の写真のメニュー札、よく見てみてください。
『あやぐ食堂』のメニューでは、とんかつ定食の文字が「とんんかつ定食」に。
「とんんかつ定食」って。
いじるつもりは全くなくて、沖縄の食堂のそんな大らかさが私は大好きです。
いや本当に。
今やめちゃくちゃ有名店なんだけど、細かい所は気にしない懐の深さが『あやぐ食堂』にはあります。
『あやぐ食堂』のとんかつ定食がこれ。
これはもう数多くの『あやぐ食堂』のメニューの中でも、最も王道な品ですね。
堂々と鎮座したとんかつ。
揚げたてのとんかつが運ばれてきた瞬間の高揚感といったら。
付け合わせのポテトフライ。
太目のカリっとあがったやつ。
ちなみに見えないかもしれませんが、この下に大ぶりの玉子焼きが隠れています。
『あやぐ食堂』定番のキャベツの千切りに、マカロニサラダ。
「Cランチ」とか他の定食にも登場する名脇役です。
揚げ物のとんかつには、キャベツがベストマッチ。
そして密かなボリュームメニュー、マカロニサラダが満腹感を加速します。
もちろん、白飯はいつもの大盛だ。
赤だしは、とんかつ定食だといっそう染みる美味しさ。
とんかつには色々な食べ方があると思いますが、沖縄の食堂だとやっぱりソースかな。
秘伝のなんちゃらって感じではなく、A-1ソースとか市販のもので。
ちなみに『あやぐ食堂』のソースはオリジナルらしい。
卓上に常備されているので、あらゆるメニューに使用可です。
そこまで濃厚ではなく少し酸味もあって、くどくなく、揚げ物に抜群に合うソースです。
このソースを好みでかけて、熱々のとんかつをいただきます。
揚げたてのとんかつ、やっぱり美味しい。
衣硬めで、食べ応えのあるとんかつ。
繊細な味わいとか、そんなんは無いけど、もう豪快にかぶりついていく、そんな感じ。
ゴロゴロと入ったポテトフライや、キャベツの千切りとの相性も最高で、夢中で食べ進めました。
とんかつに関しては、もはや食べる順番とか気にしないで、一心不乱に食べるのみ。
あっと言う間に完食です。
心地よい満腹感よ。
とんかつ定食が、690円で食べられるのは、やっぱり沖縄の食堂の魅力と醍醐味ですよね。
庶民の味方、沖縄の食堂。
外食産業の競争がますます厳しい昨今だけど、残り続けてほしいな。