さんぺいの沖縄そば食べ歩き

沖縄生まれ、沖縄育ち。沖縄そばの食べ歩き日記です。

前田食堂 本店 レジェンド食堂で思い出の牛肉そばを

ども、さんぺいです。

今日は天気がとても良かったので、張り切って山原(やんばる)まで遠征し、レジェンドの食堂を訪問してきました。

「レジェンド」と言っても特に定義があるわけではないのですが。

個人的には、子どもの頃に連れていってもらって、まだ現存する沖縄そば屋さんは、みなレジェンド的な存在になっています。
私もかなりのおじさんになってしまったので(笑)

10年持ったら凄いと言われている飲食店の業界で、30年、40年と続けているお店はやっぱり貴重な存在で、自分が子どもの頃食べたお店はそれほど残っていないのです。



今回訪問したのはこちら。

大宜味村津波にある『前田食堂』です。
創業は1972年なので、沖縄が日本本土に復帰した年ですよね。(それまではアメリカの施政権下だった)。

沖縄県民なら、おそらく知らない人はいないであろう沖縄そばを代表するお店でもあります。



場所は、沖縄本島の北部、大宜味村にあります。
名護市よりも北で、北端の国頭村の次に位置する大宜味村

沖縄自動車道だと、最北の「許田IC」を下りて、国道58号線をひたすら北上すればOK。

店は、国道沿いにあるのですごく分かりやすいです。

店舗周辺に駐車場も用意されています。



今回、約10年ぶりの訪問だったので、テンション上がりました。



昔ながらの雰囲気を残した店内。
そういえば、こんな感じだったと思い出しました。



奥には座敷もあります。
コンパクトな店内で、超人気店のため、すぐに満席に。



有名人の色紙もたくさん飾られていました。



注文は食券制です。
この辺は時代の流れなのか、飲食店は多くが食券制に移行していますね。


『前田食堂』の2大有名メニューは「牛肉そば」と「焼肉おかず」。

「牛肉そば」は牛肉と大量のもやし炒めが乗った沖縄そばで、『前田食堂』はもやし系の沖縄そばの源流ともいえる存在です。

「焼肉おかず」はボリュームのある豚肉の定食で、このメニューの熱狂的ファンも多いです。

ほかにも、三枚肉そば、ソーキそば、てびちそばと定番メニューが揃っているので、もちろん大盛メニュー以外もチョイスが可能です。



okinawasoba.hatenablog.com
沖縄そばには、「肉そば」「野菜そば」とも呼ばれる「肉野菜そば」というジャンルがありまして。

沖縄そばに、肉野菜炒めをオンするという料理です。

そのボリュームや、ジャンクさゆえに、繊細さが好まれるノーマルタイプの沖縄そばとは一線を画し、独自の世界観をつくっています。

『前田食堂』はこの中でも特に、「牛肉もやし炒め」を乗せた先駆けのようなお店で、現在の「肉野菜そば」人気を語る上でも欠かせない存在です。



今回、もちろん「牛肉そば」950円をいただきました。

まず、目を疑うような大盛の牛肉ともやし炒め。

スープも緬も見えない・・・。


まるで沖縄そばの「二郎系」と呼びたくなりますが。

ラーメン二郎」が1960年代後半創業なのを考えると、『前田食堂』の「牛肉そば」は、まさに同じ時代を生きたドカ盛り系の名作なんです。



特徴は、牛肉もやし炒めにかかった大量の胡椒(コショウ)。

かなりパンチの効いた味わいで、久しぶりの訪問でしたがその変わらぬ姿に目頭が熱くなりました。

全然日和ってないぞ『前田食堂』。

辛さが効いていますが、ボリューミーなもやし炒めをワシワシと食べるのが醍醐味なんです。

 

沖縄そばは、豚肉を具材にすることが多いのですが『前田食堂』は牛肉を用いるのがもう一つの特徴。

存在感のある牛肉を合わせることで、よりパンチがあって、ボリューミーな一杯になっています。

やっぱりこの牛肉ともやしの組み合わせが最高なんじゃないかと。



牛肉もやし炒めをかなりの量食べ進めて、ようやく出会える沖縄そばの麺。

幅の違う緬が組み合わされていて、異なる食感が楽しめます。

しっかり歯応えがあって、具材に負けない力強い麺。

緬と牛肉もやし炒めを合わせて食べることで、また美味さ倍増です。



後半になってようやくスープに到達しますが。
そこはもうカオスな美味しさ。

豚骨ベースのあっさりとしたスープですが、大量の胡椒と炒めのエキスが合わさることで、強烈なパンチへ進化しています。

醤油も効いていて、このジャンクさが最高。

辛い、けどまた飲みたくなる。そして、沖縄そばと合わせて食べるのがまた旨い。



食後は、そのボリュームとパンチ力に思わず呆然としてしまうほど。

闘いを終えた、気持の良い高揚感がありました。

『前田食堂』の「牛肉そば」が変わらず、振り切っていて良かった。

何度でも通いたい、いつまでも通いたい、そんな存在です。



<前田食堂 名護店>

okinawasoba.hatenablog.com
ちなみに『前田食堂』には、名護市に支店があります。

メニューの構成は基本的に同じなので、大宜味村まで行く余裕がないという方は名護店もお薦めです。
名護店の方が「牛肉そば」の盛りが凄い、との噂もあるので・・・。
食べ比べてみるのも楽しいかも。