それは、「沖縄そばなら、鰹出汁、豚骨出汁どっち派?」という問題。
そもそも、沖縄そばは、鰹節の出汁、豚骨の出汁の両方を用いて作られるのが一般的です。
鰹出汁と豚骨の出汁をミックスして作られるのが沖縄そばの特徴とも言えますが、専門店によって、どちらの出汁をメインに用いているのか、これが好みの分かれるところなんです。
小さな頃から沖縄そばを食べて育った沖縄県民には、必ずと言っていいほど「推し」の沖縄そば屋があり、「推し」の理由の一つは、この「鰹出汁、豚骨出汁どっち派?」によります。
沖縄県民なら、「どっち派」については、必ず一家言あるもの。
時にケンカの原因になることも。
<沖縄そば問題についての過去記事はこちら>
ですが、ついにこの論争に終止符を打つ日がやってきました。
結論は、意外なところにありました。
ずばり「どっちも食べたら良いじゃん」。
今日は、沖縄市古謝にある沖縄そば専門店『むかいや』を訪問しました。
『むかいや』と言うと、沖縄県中部の沖縄そば屋では必ず名前が挙がる実力店です。
店は住宅街にあり、アットホームな作りの店内で、清潔感もありすごく親しみやすい雰囲気です。
店舗横に駐車場があり、第2駐車場まであるのは、ありがたい。
メニューは、基本のそばに、三枚肉そば、なんこつソーキそば、黒豚あぐーの本ソーキそば、ゆし豆腐そばなどがあります。
今回は、沖縄そば論争に終止符を打つ、「食べ比べセット」850円をいただきました。
『むかいや』では、沖縄そばのスープで「鰹出汁」、「こくまろ出汁」、「塩出汁」、「みそ」の4種類から選ぶことができ、「食べ比べセット」では内2種類を同時に食べることがでくるのです。
目から鱗というか、画期的なアイデア。
鰹出汁も、豚骨出汁も「どっちも食べたら良いじゃん」という斬新な発想です。
運ばれてきた「食べ比べセット」プラスじゅーしー(単品160円)がこちら。
まるでコースメニューのような豪華さです。
肝心の沖縄そばのスープはというと。
まずは、鰹出汁スープの方から。
見た目の透明感のとおり、味の印象も澄んだ、クリアな味わいのスープ。
味付けを最小限に抑え、鰹出汁の美味しさが染みてくるような美味しさ。
もう、永遠に飲んでいたくなるようなスープです。味付けが本当に絶妙。
続いて、豚骨を用いたこくまろ出汁。
白濁した見た目から分かるとおり、一転して豚骨の効いた、コクのあるスープになっています。
驚くのが、豚骨でありながら全然雑味がなく、サラッとしていること。
しっかりとした飲みごたえがありながら、最後まで美味しくいただけます。
スープに合わせる麺は、自家製の生麺。
両者のスープがメインのつもりで訪問しましたが、麺の方もすごく印象的でした。
細麺で、しっかりとコシがあり、麺だけ食べても美味しい実力派です。
なんこつソーキも味が選べます。(醤油orみそ)。
炙った軟骨ソーキは、しっかりと味が染み、ほろっとした触感も最高。
付け合わせのサラダ。
デザートのうむくじ天ぷら。
一緒に頼んだじゅーしーも、まーさん。
この沖縄そばがいっぺんに味わるなんて本当に贅沢なセットです。
鰹出汁と、豚骨出汁、沖縄そばを代表する2大スープが味わえるなんて。
食べている間、竹内まりやの「けんかをやめて」が脳内BGMで流れていました。
「「鰹出汁、豚骨出汁どっち?」じゃなく、「どっちも食べたら良いじゃん」。
『むかいや』の沖縄そばは、味付けを控えめに、出汁の美味しさがしっかりと伝ってくるつくりで、どちらもとても上品な味わいでした。
沖縄そばの特徴を感じられる「食べ比べセット」。
観光で訪れて、初めて食べる方にお薦めしても喜ばれるんじゃないでしょうか。
<2021年7月21日追記>
『むかいや』さんは、2021年7月に、沖縄市古謝から糸満市武富へ移転されています。
詳細は、こちらの記事を参照ください。