さんぺいの沖縄そば食べ歩き

沖縄生まれ、沖縄育ち。沖縄そばの食べ歩き日記です。

首里そば 絶品首里そばと煮付け

ども、さんぺいです。

さんぺいの「沖縄そばの世界」、まずは沖縄そばの基本とも言えるようなお店の紹介です。

那覇市首里にある『首里そば』。
沖縄そばを代表するお店で、沖縄県民なら多くの方が知っているであろう名店です。



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向田邦子氏は『女の人差し指』で、『沖縄胃袋旅行』というエッセイを残しており、その中で沖縄そばと『さくら屋』が取り上げられています。

『さくら屋』は、那覇市首里当蔵町で、昭和26年から平成5年まで営業されていた沖縄そば屋で、戦後、老舗の沖縄そば屋が閉店していく中で、昔ながらの沖縄そばづくりや味を最後まで残していた店として有名。
その存在は沖縄そば界の伝説です。

そんな『さくら屋』の味を引き継ぐと言われているのが『首里そば』なんです。




場所は、首里城からも近い、那覇市首里赤田町。

周辺は、住宅街で大きな看板もなく、ひっそりと佇むように店はあります。

有名店という事もあって、地元客、観光のお客さんで連日行列ができます。
この日、私も開店1時間前に行きましたが、すでに先客が。



店舗前に数台停められる駐車場があります。
多くのお客さんが訪れるので時間に余裕を持っての訪問をお薦めします。

また、近隣にコインパーキングもあるので、駐車場が満杯の場合はそちらの利用を。



1時間ほど店頭で待っていたのですが、待ち時間の間にも鰹出汁のスープの良い香りが漂ってきました。

沖縄そば屋あるあるなのですが、営業開始前に並んでいると、よく店頭から良い香りが流れてきます。
これもまた待ち時間の楽しみの一つ。

高鳴る気持ちを感じながら、時間が過ぎるのを待ちます。



開店と同時に店内へ。

店は華美でなく、あくまで簡潔な雰囲気。
席数も限りがあり、あっという間に満杯になります。

置かれている物はどれも沖縄の伝統的な工芸品で、シーサーや焼き物(やちむん)などどれも素敵。



テーブル席と、窓際のカウンター席があります。

焼き物や琉球ガラスに見入ってしまう。



沖縄の伝統的なお箸「うめーし」。
赤と黄色のカラーが印象的です。



首里そば』のメニューです。

メニューはごくごくシンプル。

沖縄そばは1種類、「首里そば」のみ。
サイズを(大)(中)(小)から選べます。

サイドメニューとして煮付け、ジューシー、おにぎり。
デザートにぜんざいがあります。

この厳選されたメニューからも名店の矜持を感じますよね。

最近では、豊富なメニューや、トッピング、麺・スープを選べる店も増えてきていますが、シンプルな直球勝負が格好いい。



今回は、首里そば(大)600円、煮付け450円、ジューシー200円をいただきました。

私にとっても滅多に訪問できないお店なので、フルラインナップを。



私の持論で、「ルックスの良い沖縄そばは絶対に美味しい」があるのですが。

首里そば』も見た目の美しさがまず印象的。
盛り付けが綺麗で、思わず引き込まれる。

三枚肉に赤肉、かまぼこにネギと、沖縄そばの最も基本形です。

シンプルな沖縄そば、それが良い。



出汁は、鰹節と豚肉から取っていて、鰹節が主体。

ひと口スープを飲むと、出汁の旨みが広がっていきます。
あっさりとしていますが、とても豊かな出汁の味わい。

余計なものが入っておらず、出汁の美味しさがストレートに感じられます。
シンプルだけど力強い出汁に、はじめての方はきっと驚くはず。

味つけは、塩で最小限に。

ラーメンも沖縄そばも、スープはより複雑で濃厚な方向へ進化していますが、簡潔なスープが持つ力を再確認しました。



麺は、『首里そば』自家製の手打ち麺。
沖縄そばでは伝統的に手打ちの麺づくりが行われていましたが、現在では製麺所の麺が主流になり、手打ちの店はごく限られています。

首里そば』の麺は、沖縄そばの麺の中でもかなり特徴的で、硬さがしっかりあってコシの強い麺。

プツンと切れるような食感で、口に触れた感じ、啜り心地、噛み締めた時の感じ、いずれも独特の美味しさがあります。

これは絶対に『首里そば』でしか味わえない麺。



首里そば』の三枚肉。

沖縄そば同様に、余計な味付けはしていなくて、優しい味わい。
しっかりと食感を残しています。

麺やスープとのバランスもとても良い。



最近ではあまり使われない赤肉。

脂身が少なく、しっかりとした噛み応え。

ほどよく煮付けています。



沖縄そばの基本形。
かまぼこと、ネギ。

首里そば』では、よくある紅生姜ではなく、刻み生姜を使っていて風味が良く、全体のアクセントにもなっています。

全体に上品な味付けで、それぞれが主張しずぎない絶妙なバランス。



ごくごくシンプルな味付けなんですが、食べ応えのある沖縄そば麺と、豊かな出汁で、満足感がしっかり。

沖縄そばのスタンダードと呼びたくなる王道の一杯だと思います。



私自身、何度か『首里そば』を食べていますが、沖縄そばの食べ歩きをする中で『首里そば』の印象も変わってきています。

多様に沖縄そばが変化していく中で、変わらない事の凄さ。
シンプルに沖縄そばを作る事の難しさ。
足し算じゃなくて、シンプルに表現することでの美味しさ。

特にこの絶品な麺を最大限美味しく食べるんなら、このスープがベストなんだと感じます。



首里そば』は煮付けも有名。
是非、沖縄そばと一緒に注文を。



味の染みた、三枚肉、大根、どれも最高。

味つけは、沖縄そば同様に最小限で上品です。

濃すぎないので、沖縄そばと一緒に注文してもきっと食べきれるはず。



好物の豆腐の厚揚げも、出汁が染みて美味しい。




沖縄そばのサイドメニューの定番、ジューシー(沖縄の炊き込みご飯)。

沖縄そばの出汁を使って作られていて、相性はもちろん抜群。

まーさん。



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